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運命のひと~forever2001

ボクと彼女の記録です。

日曜日の朝、そのドアのインターフォンを鳴らした。


しばらくして、だるそうな声が聞こえた。


「はい。」


「○○ですが、ハルカさんの事で重要な話しがあります。」


「10分ほど、待ってもらえる?隣のカフェで待ってて。」


ボクはカフェでキャラメルマキアートを注文し、その人を待った。


しばらくして、その女性は男性と現れた。


ホット2つを注文した女性は、ボクを見て


「あっ、これ彼氏。で、何の用?ハルカは?」


「あのお姉さん、ハルカから連絡ありますか?」


「う~ん、2週間ほど連絡ないよ。で?」


「あの、言いにくいんですが。。。」


「あっ、いいよ彼のことなら気にしないで。」


「実は、ハルカさんは一緒にいません。もう1ケ月近くになります。」


「えっ、そんな話し聞いてないけど?」


「やっかいな事件に巻き込まれて、ハルカさんは監禁されてます。」


「まったく意味が分からないんだけど?」


「率直に言います。」


ボクは起こったすべての事を話した。


ハルカの姉は驚きを隠せないようだった。当たり前の話しだが。。。


けれど、発した言葉に驚いた。


「あの子らしいな、昔っから突拍子のない事する子だったから。」


「ほんとにすいません。ボクが悪いんです。お姉さんから警察に話してくれませんか?」


ずっと黙って聞いていた、姉の彼氏が言った。


「その話しがホントなら成人してるんだし、自力で逃げるでしょ?」


ボクは言った。


「彼女はそれが出来ない子なんです。自分に非があると思ってるから。」


ハルカの姉は、少し考えてこう言った。


「確かに、でもホントかどうかは近いうちに連絡してみる。両親には言えないよ。」


「すいません、お願いします。出来たら今日にでもすぐ。」


「まぁ私が警察に言っても民事だから跳ね返されるからね。結局、あの子次第よ。」


そしてボクは何度も頭を下げて、家路についた。


この日の出来事がどうなるのか、ボクにはまだ分からなかった。


ただ、ハルカを救うことだけがボクの生きる糧だった


タクシーは去ったが、ハルカからメールが着た。


「今日は、ありがとう。ごめんね。お金返し終わったら、もう一度あなたと。」


「うん、ボクにはキミだけだから。身体には気をつけて。」


「じゃあ、また。ばれないようにたまに連絡するから。」


「うん、じゃあまた。」


ふたりにとって希望がみえた。


それだけで、ボクは生き返った。


そして、その夜にハルカからメールが一言。


「ばれた。」


ボクはあわてて、メールを送ったが連絡はなかった。


来る日も来るも、連絡はなかった。


ボクのせいだ。ボクは自分を責めた。


希望のヒカリは消えた。


それでも、ボクは駅の近辺からハルカの行方を探した。


仕事が終わってから、寝る間を惜しんで探し続けた。


ハルカのことを思うと、食事も喉を通らなかった。


1日に1個のアイスクリームだけが、ボクの食事だった。


休日は、朝から晩まで探し続けたが2週間たった今も見つからなかった。


そして、ある朝ボクの喉から声が消えた。


無論、会社でも誰とも口を聞かなかったから苦ではなかった。


ボクは死ぬことが常に頭に浮かんだが、ハルカを救うことを考えると打ち消された。


どうすればいい、どうすればハルカを救える?


そして、考えた先にあったことを実行に移そうと思った。







そしてその日は訪れた。


ボクは約束より1時間前に到着していた。


誕生日プレゼントを何も用意していないことに気づき、


Paul Smithのショップに入って、赤とピンクのマフラーを買った。


ハルカは寒いのが苦手だから、喜んでくれるだろう。


○○ビルの入り口でボクはドキドキしながら待っていた。


そして、ハルカからメール。


「あと5分で到着する。でも見張られてる可能性があるから、気をつけて。」


「分かった。」


「エスカレーターで5階に上がったとこのベンチで待ってて。」


そして再会の時がきた。


ハルカは前よりも痩せてみえた。


「久しぶり、元気にしてる?」


「まぁまぁ。流星さん痩せたね?」


「ハルカも痩せたね。今はどうしてるの?」


「拘束されてる。前と同じ仕事して、お金返さなきゃ。」


「ハルカが悪いわけじゃないのに?おかしいよ。」


「アタシが全部悪いんだよ。」


「ハルカまた逢えるよね?」


「お金返したらね。それまでは無理。今度、流星さんに逢ってるのがバレたら

借金増やすって言われてる。」


「分かった。俺もハルカに逢えるまで頑張るよ。」


「もう行かなきゃ。」


「もう?ハルカ何処に住んでるの?」


「ここからタクシーで2メーター位のとこかな。」


「そっか、これハルカに誕生日プレゼント。」


「ありがとう。開けていい?」


ハルカはマフラーを手に取って、首に巻いた。とてもよく似合っている。


「ありがとう。流星さん。大事にするね。」


「うん。ハルカ、ひとつだけ約束して欲しいんだ。」


「どんなこと?」


「その仕事続けるのは仕方ないけど、最後の一線だけは越えないで。

俺としかしないって約束して。」


「ごめん、約束は出来ない。少しでもお金稼いで返さなきゃ。」


「・・・。」


30分ほどでハルカとの時間は終わってしまった。


でも、また逢えるってことをふたりは確認した。


ボクはやっぱり嬉しくて、ハルカのことを愛しているって思った。


ハルカはタクシーに乗って、西の方へ向かっていった。


見えなくなるまで、ボクは手を振った。


ハルカも後ろを向いてずっと手を振ってくれていた。


ほんのわずかな幸せ。


普通の恋人同士なら何でもないようなこと。


今のボク達には、これが今感じられる最大の幸せだった。


だけど、幸せの陰に潜んでいる黒い影にまだ気づいていなかった。