ねんねんのオリジナル商品第一弾となるのはリネン100%の“ねんねんもうふ”です。
“ねんねんもうふ”というのは、タオルケットをさす私たち家族の独自の呼び方です。
年中タオルケットを使っている私にとって、大好きな繊維・リネンとタオルケットの組み合わせは正に最強で、2017年4月に初めてベラルーシのリネン会社を訪れて、リネンケットがラインナップに入っている喜びに加え、そのバリエーションの多さにもびっくりしました。
というのも、今まで私が国内で販売されているリネンケットは、どれもシーツやタオルが分厚くなったようなもので、色はナチュラルが圧倒的に多く、柄があったとしてもキッチンクロスみたいなシンプルなデザインばかりだったため、ベラルーシで見たキルト地のような素材や唐松柄、チェック模様がとても新鮮に映ったのでした。
早速自分用に1枚購入し、当時私が暮らしていたクロアチアで使い始めてみました。
初夏から使い始めたこともあって、リネン特有のさらっとした使い心地で熱が発散されていき、寝苦しい夜も快適に過ごすことができました。
が、正直ちょっとゴワゴつきが気になりました。
リネンのケットってそんなもんなんだ、と自分で使う分には全然問題なく納得できるもんなんですが、果たして多くの日本人が受け入れられる質感なのだろうか、という疑問が湧きました。
キルト地だからゴワつきが気になるのかな、とリネン会社のカタログに掲載されていたワッフル織のケットについて問い合わせたところ、それはショーケース用のデモ製品のため、まだ商品化されてないとのこと。
ふぅむ、それならいっそオリジナルデザインでオーダーするのが話が早いんじゃないかな、と思いつきました。
早速デザイン案と参考画像を私の美人担当者・アンナさんにメールで送り、アンナさんは社内の縫製部門と製作対応の可否について話を進めてくれ、次回の私の訪問時には縫製部門の担当者も含めたミーティングを行うことに決まりました。
8月の再訪問時には、縫製部門担当者の方がフリル部分も試作品を作ってくださっていて、フリルの数や幅、生地の厚さについて話し合いました。(私はウクライナに住んでいたこともあり、ロシア語だと聞いてぼんやりとわかる文脈もあるんですが、話すのは全然なので、アンナさんがロシア語⇔英語の通訳をしてくれました)
それにしても、このリネン会社では女性が本当に活躍しています。みなさん優秀で仕事が本当に早いんです。そして、私みたいに、まだビジネスを立ち上げようかという規模の相手に対しても、とても真摯に対応してくれる姿勢には頭が下がります。
ただ、会社のシステム自体はまだまだアナログな部分も多く、リネン製品や生地の在庫状況は、倉庫担当者に問い合わせたり、実際に倉庫に行って確認しないといけません。
メインの生地とフリル部分の生地選びも、会社1階にあるショールームで候補を選んだ後、倉庫へ在庫状況を確認しに行きました。
大きな会社であれば、好みの厚さや色で生地を作るところから始められるのですが、その単位が数百メートルでの生地発注ということになってしまうため、私には到底無理な規模です。
最低ロット数50枚からオーダー可能という提案を頂けたので、メインの生地の在庫を確認した後、フリル部分の候補生地については、製作に必要な生地の量と在庫を洗い出して、メールでやりとりしつつ、決定していくことになりました。
と、ここまでが8月のベラルーシ訪問時にできたことだったんですが、9月の私の帰国後、現地倉庫に取り置きしていた商品が(そのリネン会社にしてみると、あまりに少ない量だったため、取り置き商品と認識されず)在庫商品と間違われて一旦なくなってしまったり、オリジナルリネンケットに縫い付けてもらうラベルがベラルーシの通関で止められてしまったり、そんなトラブルに対応しているうちに、フリル部分に使う予定だった生地の在庫が売れてしまい、またフリル部分の生地の色合わせを一から考えなくてはいけなくなったりと色々あって、結局リネンケットは翌年の3月にやっと無事完成したのでした。
この間私の担当は、昇進してマネージャーになったアンナさんから、アリーナさんというもっと若い女性に代わったのですが、彼女も本当に辛抱強く全てのトラブルに迅速に対応し、私を支えてくれました。
本人は自分は経験不足で不慣れなところがあるせいで、上手く対処できずにごめんなさい、と恐縮してましたが、彼女が何事に対しても先入観なくフレッシュな感覚をもってくれていたおかげで、私の無茶ぶりをどうにか解決しようと、社内の各部門に掛け合ってくれたのだと思います。
そんなこんなで、やっと出来上がったリネンケット、ねんねんもうふ-wavelet-です。
これまでのリネンケットにはなかった生地感とデザインが特徴です。気に入って長く使っていただけると嬉しいです。どうぞねんねんもうふ-wavelet-をよろしくお願い致します。