リネンのお手入れ方法 | おすすめリネン通販 ねんねん

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『東欧を旅するリネンのお店・ねんねん』店主が綴る、
リネンのこと、旅のこと、東欧の暮らしのこと

ねんねんのリネン100%の洗濯表示には

   水温40℃までで洗濯

   塩素系・酸素系漂白禁止

   タンブル乾燥禁止

   アイロンの最高温度200

   ドライクリーニング禁止

   ウェットクリーニング禁止

と書いています。

 

できることなら朝ドラにもなった“暮らしの手帖”みたいに、皆さんの参考のためにこの洗濯表示を無視したらどうなるかという実験や洗剤別の比較なんかができたらよかったのですが、まだ挑戦できずにいます。

 

すみません。

 

丁寧な暮らしを提案するライフスタイル雑誌では、リネンのお手入れについて、陰干しやまだ少し湿っているくらいで取り込んで、アイロンをかけることが推奨されていますよね。

 

ただ、合理性を好み、雑な性格の私は、丁寧な暮らしを夢見ながらも、なかなか実践できていないのが本当のところです。

 

まだリネンを使い始めて5年程度の新参者の私が、リネンのお手入れについて今の段階で言えることは、綿と同じように洗っても全然へこたれないから本当に助かってるということです。

 

リネンは高級素材ととらえられていますが、同じく高級素材のシルクと比べると、お手入れが全然楽です。

 

特別な洗濯洗剤や洗濯コースを選ぶ必要はありません。ただ、洗濯表示にはしたがって頂きたいと思います。

乾燥機を使うまでもなく、曇りの日でもだいたい乾くのでご安心ください。

 

途中で雨が降って乾かなったとしたら、私はベッドの上にシーツを広げて、しわを伸ばす目的も兼ねてアイロンをかけています。

 

リネンのお手入れについて、雑誌「クーネル」のバックナンバーから、素敵な記事を見つけたので、ご紹介させていただきたいと思います。

 

ドロテア・ガストナー(PR・翻訳家) 

ガストナーさんのおばあちゃん、アンナ・ヴェラーンさんは1909年、オーストリア中北部の田舎町に生まれた。女性の進学や就職が難しかった時代に、看護師になったタフな女性で、「家事も完璧にこなすスーパーな女性でした。学校帰りに祖父母の家に遊びに行っては、祖母のお裁縫やおやつ作りの様子をながめていました」

とくに覚えているのは、アンナさんがリネンを大切にしていたこと。

「天井まである大きな木製のクローゼットに、きれいにたたんだリネンが角を揃えて重ねてあるんです。それも、この棚はシーツ、こっちはふきん、ときちんと分けてある。3人の娘たちのために用意したタオルには、それぞれのイニシャルが刺繍してあって。子供心にもうっとりしました」

リネンに興味をもった小さなガストナーさんに、アンナさんは手入れ法を少しずつ教えてくれた。洗って干したら、完全に乾かないうちに、すみずみにアイロンをかける。もし乾いてしまったら、リネンウォーターを軽くスプレーして、水分をいきわたらせる。刺繍は表からアイロンをあてるとつぶれてしまうので、裏から。

「たたんだら、折ったところにもアイロンをあてる。テーブルクロスも広げた時に折り目が残っているくらいがいいのよ、って」ほつれた部分はかがって、穴が開いたらあて布をしてつくろって。

アンナさん亡き後、帰省するたびに母親から少しずつ譲り受けたリネンを、ガストナーさんは今も同じように手入れして使っている。

撮影にお邪魔した時にアイロンをかけていたのも、アンナさんが大切にしていた、20年代のヴィンテージリネンだ。

「力を入れてアイロンがけをしていた祖母の姿を、今でも思い出します。私は近くでおしゃべりをしたり、そこにときどき祖父が加わって、本の読み聞かせをしてくれたり。台所からはお菓子が焼ける匂いがする。そんなひとときが大好きでした」

 

自分だけでなく、誰かの記憶に残るようなリネンを見つけて、お手入れして、育てて、そして譲っていけたらいいなと思います。