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simple is best

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今年の3/11
二年かかって ようやく
現実を受け入れられた気がします。

この二年間
被災地のド真ん中で生活してたくせに

自分の体験・この目で見てきたもの
頭では理解してきたけど、どうしても心が追いつかないでいました。

心の底の部分で
認めたくない・受け入れられない気持ちがあったんだと思います。

二年経ち
自分のやりたいこと
やるべきこと
目標ができたからこそ
やっと、全てを認めることができたんだと思います。

現実を受け入れないことには
前には進めないんだと
今更ながら感じました。


娘が保育所時代
一番仲良しだったお友達

祖父が入所していた介護施設で
親しくさせてもらっていたおばあちゃん達

まだ発見されていない、親戚の叔父さんご夫妻

通勤途中、よく隣の席だった後輩

仕事中だった同級生

みんな津波の犠牲になりました。


私の祖父は
震災前に亡くなっていますが
生前は、仕事帰りに祖父がいる施設に通って
顔を拭いたり髭を剃ったり
手浴したり…

毎日のことだったので
入所されてるおじいちゃん・おばあちゃんと次第に顔見知りになり、仲良くなりました。

特に仲良くさせてもらっていた
80代後半の車椅子のおばあちゃん達お二人は、私が行くのを待ってくれるようになりました。

「おじいちゃんのこと心配だろうけど、寒いから無理して来なくてもいいんだよ。あなたが風邪ひいたら大変だもの」

「でも、あなたが来るの楽しみなの。顔見ないと心配で。ごめんなさいね」

そんなこと言ってくれたおばあちゃん達。


祖父が亡くなったのは
震災前の11月でした。

12月のクリスマス。
祖父はいなくなってしまったけど
おばあちゃん達にささやかだけどプレゼントを渡しに施設に行った時のこと。

「暖かくなったら、あなたに会いに行くから」

と。
その気持ちが嬉しくて。

私も

「楽しみにしてるね。案内するから、来る時は、連絡ちょうだいね!」

って話して。


そして、3月。

あの大震災。

施設は津波に襲われ
お二人とも、避難した屋上で
雪の降る中
低体温症で命を落とされました。

近くでは大規模な火災になっていて
どれほど凄惨な情景を目にして
凍える寒さの中、亡くなっていったのかと思うと

言葉では
とても言い表せない気持ちになるんです。

この二年間
このお二人のおばあちゃん達のことをこんなに思い出すはありませんでした。

思い出さないようにしていました。

でも今は
あのおばあちゃん達の存在を
交わした言葉を
優しく可愛い笑顔を

最期に味わってしまった
苦しさを
恐怖を
忘れないで生きていくことが大切なことなんだと思います。