この足手纏いの影に隠れて暗躍していたのが漫才師顔のヲタ、H君である。

会話のテンポはひとりで…よりはマシ?

しかし性根がヲタである。

興味の無い事には頷く程度、興味ある話なら相手を遮ってでも一方的に喋りまくって終わる…

では会話と言えるのだろうか?

聞けば高齢の両親に可愛がられてるひとりっ子だそうだ。

大人のおっさん(俺)に詰められるとキレる

上司に詰められるとキレた挙句泣く

まともにコミュできんくせに人によって態度を変えるというクソガキのエピソードであります。


所謂PCとかに代表されるIT系は古い知識で応用できる範囲というのが狭いというか尖ってるというか…殆どが新しい知識が無いと通用しない所があります。つか、技術が秒速なので知識がすぐ古くなるってのと新しい技術の方が良いってことになってるので古いのが応用しにくいんだね。

で、知識ってのは知ってる、てのと、いつ知るかなんで、そりゃ知らないより知ってる方が良いに決まってるんだけど、それって「昨夜のドラマ観た?」「みてな〜い」程度の事でしか無いと俺は理解している。のにドラマ観たヤツって凄え偉そうじゃない?

情報系の学校やら出てるんで好きで得意分野なら負けたくない意識が強いんだ。

このH君のヲタ成分を構成しているのがPCのハードとOSの知識。

会社支給のPCのビジネスソフトがヤツのPCで不具合を起こした時の話。

俺は都で既に経験済みである上に解決済みだった症状をヤツのPCは今再現している。

ひとつは画面の拡大率が原因

もうひとつはプロキシサーバーの名前が違う事

いずれも開発者レベルの知識が無いと解決できないのだが、これが「自称PCに詳しい」ヤツが陥る落し穴なんだ。

開発者レベル…ヲタなら憧れる形容だが、如何にPC全般の知識があろうと作ったヤツの思惑なんぞ分かるわけがない。

画面の拡大率なんかは最たるもので

聞いた俺も

「ウッソ!」

と呟くほど影響を想像できなかったんですよ…

プロキシサーバーの名前は俺が弄ってから動かなくなったんで知識よりも経験からの応用だけど

で、だ。

このクソガキに(その時はプライドを傷つけないように)ご披露してやったんだ。

当然専門知識なんか無さそうなおじいちゃんの言うことなんか信じない。

コイツが信じるのは神であるadmin(システム管理者)くらいだろう 

「いいんですよ 俺のはこうゆんです」

専門にしてたくせに論理的思考が全くないセリフを吐く

諦めで返事もしないばかりか

やろうともしないヤツに業を煮やした俺は

「いいから騙されたと思ってやってみな」

まだ動かない

「あのなぁ(半ギレ)俺は情シスに聞いたの」

(情シスは情報システム部、つまり神)

の一言で飛び跳ねるように倍率を変えてみる 


動くし! (ザマァ) 


微かに聞こえる「そんなはずは…」

それは俺もそう思った

ついでにもうひとつの動かないオー◯ックも

プロキシの名前を確認してみると案の定違ってる。

俺のをコピペしてメールで送りつける

「それをペーストしてみ」

ヤツは「…」

俺は画面が起動したことを見届け

動いたオービッ◯を前に黙りこくるヤツに

ダメを押す!

「動いたんか動かないんかどっちだ!」

か細い声で「動きました」(渋々)

結局、ヤツの口からお礼の言葉は発しなかった。

(こういう社会性の無さも嫌い)

そっち系の勉強をしてきた筈なのに動いた事に

感動するでもなく

原因をネタにディスカッションするでも無い

自分自身で答えに辿り着かなかった過程を反芻している

こんなのいくら考えたってたどり着けっこないんだが、ヤツにとっちゃ聞いたら負けなんだろう

直ったことに感動も無いのは修理屋の資質的にどうなの? 

と思った俺の勘はカンと音を立てた。


普通の人達がオタクの人と話す機会は滅多に…いや万が一にもないだろうが、テレビなどで見た事があるだろうか?

「知っているネタが話題に出れば話を遮ってでもネタについてだけを喋る」

「話題の趣旨から外れてても勝手に完結する」

「知っている事を一方的に早口で喋る」

いずれにしても知識のご披露だけなので聞かされる側は「ヘェ」位の反応…

この話題を盛り上げるのかと期待しても人の話をぶった斬ったうえオチも無く聴衆を鎮まりかえしやがるんだこのやらうは!


そう、アイツらは他人と会話というものができないのである。(ヲタ同士は他人ではない)

「会話」

すなわち言葉のキャッチボールである。

相手がこう質問してきたらこう答える という

臨機応変に受け応えをするのを苦手とし…

つか、興味のない事には受け応えしねぇだけだ

それ、社会人としてさぁ どうなの?


いつだったか、納品したばっかの機械で

「エラーが出て解除したくても開けられるとこが開かない」というコール📞

電話を受けてた俺は輸送固定金具が付けっぱなんだろうと判断し「すぐに伺います」

当然「納品準備したヤツは誰や?」

という話になる。 ヲタ いや ヤツだ。

ヤツは虚空を見据え「アレ?外した筈だ…」と

反芻している。 なわけない 開かねーんだもん

責任を感じて出動しようとするでもなく

あろうことかここにはいないO君におっ被せようと画策している模様…

おじいちゃん達は知っている。

O君はそんな事はしない、つか、できないんだ。

ま、先輩であるキサマが音頭取らにゃな…


客先で半ばクレーム処理の俺が帰って来ても状況を聞くでもなく謝罪も無いヤツに威厳を見せる。

「おい!シカトか?」

反射的に身体を起こし今気が付いたかのように

「どうでした?」(どうでしたじゃねーよ)

「輸送固定に決まってんだろ」

下を向いたまま「外した筈…」

「じゃなんでついてるの?」

「…」(まともに答えねーだろなぁ)

「…」(俺が何言ってもだみだな)

「…」これが数分間続き微動だにせず…

次の仕事にかかる俺。

失敗するのは仕方ない 

次やらなきゃいいのだが

そこに繋がる努力は必要だし

失敗を振り返る勇気こそ重要だ…

てなことを言って終わりにしたいのに

会話にもなりゃしねぇ

恐らく失敗を指摘すれば失敗した言い訳を探し、答えに窮したら正当化する為に逆ギレして

しまいには泣く…のが定番なんだろう

俺は前振りなく核心を突くからヤツにとっちゃ天敵だ

だから最初からキレる気満々だ

透けて見えるやり取り 

だから無視する

ヤツの言葉を切る 

これ以上矛盾を指摘せずキレる事をさせない

武器を無効化するには放置が一番

俺は慰めるという行為は自分にしかしないので

泣きそうな雰囲気を察したら

会話をやめるという選択肢を選ぶ。

ウチの責任者はパワハラ呼ばわりされるのを恐れ途中慰めながら辞めないような言葉を選んで話を繋げる。

俺には無理だ

甘い柿は好きだが甘えたガキは大嫌いだ。

そのあまちゃんやらうが身体の不調を訴える暴挙に出る。

それも利き腕でない左腕が痺れる、だと?

その頃の俺は原因不明の右腕の痺れに見舞われ

こっちが泣き言を言いたい有様だったのだが…

3月にそんなこと言い出し、4月には外回りの仕事をキャンセルし、内勤で電話番をするかと思いきや、客との電話のやり取りやらで叱責された事で「電話取れません」ときたもんだ。

じゃ何ができるの?

一日中スマホと睨めっこで

ぼーッと過ごしてやがる。

会話といえばスマホで拾ったニュースを意気揚々と話し出す事くらい。

おじいちゃんたちの沸点は下がる一方…

毎日定時に上がって通院リハビリはしているようだが、効果は芳しくないらしい。

「自分の身体に施術してもらって効果が感じられないなら疑問に思わないのか?」などと詐病を疑われ始めた。

勤務状態がこのザマではなんの役にも立たないし休職してないから人員補充もできない事から6月頃には休職勧告を受けやっと補充が決まったのが9月、その間はジジイ3人体制…

そうこうしてるうちに3人のうち1人が

コロナに罹り、健康なジジイ2人で

「健康な俺らは馬鹿みたいだな」と罵り合う…

くたくたに疲れ切って帰って風呂入って12時前には寝るという前代未聞の健康的な生活を送ってたのに俺の身体はこの時既に悲鳴をあげていたんだ…


そして11月

健康診断の診察で不整脈と言われ

「脈が不整なだけだろ ハハ」と

気楽に構えていたのだが

診断書に心房細動と書いてあったのを見て

心臓が止まりそうなったのは内緒だ。


ウチの事務所には2人の若手がいた。

最初からウチの事務所に配属されたO君の容姿はひとりでBTSとでも呼べるほど今時のイケメンではある。

ま、子供とおじいちゃんでは会話が成立しないから気にもしなかったが…少し変わった子だなとは思っていた。

もう1人のH君は漫才師に似たコミュ症のオタク。ハードオフ巡りが趣味だから修理屋の適性があるやと思わせたがその実、生き方が不器用なヤツ。

こいつらが厄災の元凶であるのはもう分かるよね。

そりゃ大ベテラン3人から見たら要求が厳しいってのはある。だけどね…

ひとりで…の方は指示したことができた試しがねぇ

いやいや、大まかなあっち行ってやって来て!てのはやるよ、そりゃ

ついでにあれも見てきてダメだったらやってきて

ができねーの。


「出かける時間の管理ができない」

いつまで経っても外回りに出掛けないとか

大抵出掛ける直前に何かやり出して止められずにもたくさしやがる…とか

一緒に出掛けるっつって声掛けてから一緒に出られたためしがない…とか

やっぱり客先に遅刻しやがる…とか

見込みが甘いというか余裕を持っててのが苦手みたい


「作業時間の管理ができない」

進捗確認で電話して「あと何分で終わるか」の問いに見込みの時間が合ってたためしがない…とか

「10分経ったら電話よこせ」がいつまで経ってもない…とか

集中してるといえば聞こえはいいのだが…


「事前に用意ができない」

行く直前に本題の段取りを一から聞く、それも当たり前の様に、しかも本人悪気なし…

こちらにしてみりゃ「なんで今頃聞いてんだよ!」であるが本人にしたら思いついた今なんだろう…ね

勿論事前にレクチャーしてるんだよ!

してるにも拘らず直前なんだよ!


「共同作業中にどっか行っちゃう」

本人に言わすと「仕事を探しに…」だそうでこちらとしては「おめーの仕事は探すまでもなく俺のサポートなんだよ」

誰と居てもこの調子なんで「俺の半径2メートル以内にいろ」と厳命したりね…

そんなことがありつつも連れて行かれた現場が分からなくなって役員室まで勝手に探検して笑われてたり…

毎朝の自分に課したルーティンをやらないとダメになる…とか

衝動的に思い付いた事を最優先でやろうとする…とか

入社当時はまだ緊張感があったからマシだったが俺が都から戻ってからパワハラ覚悟で再度教育して確信を持った。

コイツは発達障害(ADHD)にちまいない! 

だって常人枠で理解が追いつかないバカタレちゃんなんだもん。

そういうことにしてしまえば対処は楽になる。

でも、医者じゃないので「診断」じゃありませんよ!

匂わせはしますが指摘もしませんよ!

だけど自覚がないのが一番タチが悪いってのを知って欲しい訳ですわ…

なんでも医者の診断の基準てのが該当するやらかしエピソードでかなり引っ掛かったとしても実生活で本人が困らなければ黒ではなくグレーなんだと!

本人曰く「自分は普通だとおもいます」

「病気じゃないです」 ぁぁそうですか…

バカのような積極性 陰(イン)に篭らない妙な明るさ

これがあるからまだ憎まれ難く救いではあるんだが、やらかしてもまったく反省しているように見えないんだな。


で、こちらが対処しようにも特徴的な個性の所でやっぱりやらかすわけです。

コヤツ、社用車でコツコツぶつけたりして懲戒処分が重なってリーチがかかっておりまして遂にあがり、2022年2月を以て転勤と相なった訳です。

コヤツの転勤にはオイラの「同年代のいる都へ行かせるべき」の意見が鋭く作用したのもある。

俺らおじいちゃん連中の要求レベルがどの程度なのか?同年代のいる都で実感してもらいたいという親心であります。

コイツ1人が居るとフォローで1人取られるという問題があっさり解決する。

いない方が効率が良いからね。


いつだったか、畑の手伝いをしろと老齢の親に叱責されながら寝不足のまま、畝を作らされた事がある。

クワがやたらと重い…

10回も振るわないうちに息が上がり目を回す…

頭の周りに星がくるくる回ってるアレだ。

その場にへたり込む息子の異変にようやく気がついてくれた様。

この件で俺自身もおかしいと気づく、がこの時はまだ心臓だとは思いもしなかった。

そんな事があっての健康診断結果である。

翌週の土曜日には循環器内科へ。

聴診器で心音を聞くなり、専門医の目が輝く。

とりあえずは投薬治療で様子見だそうだ。

原因は不明だが起因する材料は山ほどある。

血栓予防の血液サラサラの薬と心拍を整える薬を処方される。

診察料と合わせて約6,000円也が吹っ飛ぶ。

これが毎月か…年間72,000円かよ…

期待に胸を躍らせ(ダメやん)て嬉しそうに薬を飲む。

おかしい(いやおかしくない)

劇的な変化が無い(そうそうないだろう)

つか、前より息が上がるのが早い…

普通は運動の後息を荒くするのはある。

しかし、呼吸を整える事をすれば落ち着くはず

いや、落ち着くことは落ち着くんだ…

だけどジョギングした後の爽快感のようなものは無く、ただただ落ち着くのを待つのみ…

それもあえぎに近い状態で…

兎にも角にも2023年の夏は暑かった。

40を半分超えた位から、かっと熱くなって汗がダラダラ出て来るような事が多くなった。

世にいう「更年期」ってヤツ?で納得させていた。 だが最近のこれは様子が違う。

あっという間に上半身がバケツで水を被った様…

尋常じゃない汗のかきかた。家に帰り着くまで皮のベルトは汗を吸って濡れたまま…

投薬治療を続けて半年が過ぎようとした頃、専門医から「カテーテルアブレーション」を勧められた。