銀座に来てから何年も、ずっと願っていたのは、ホステスとして一人前になること、誰にも恥じない、肩身の狭い思いをしなくて良いだけの売り上げが出来るようになりたかった。
セドナに行っても、人生のパートナーを見つけたいと願っていたであろう友人二人とは違って私はやっぱり、一人前のホステスになりたいと願っていた。
昔はコツコツやっていた売り上げが、今は荒くて、ポンポンッと売り上げが上がったりする。
凄く有難いことだけど、気がつくと、もっともっとになって、おねだりして、お願いして、お客さんの楽しさよりも売り上げを優先させて、いつの間にか私は売り上げを上げる為の機械のようになってる。
私がしたかったのはこんなことだったかな?
今の仕事はたくさんお金を稼げる。
たくさん出ても行くけど、それ以上に稼げる。
今の私にこれだけ稼げる仕事は他に思いつかないから、恐ろしいほど孤独や虚しさや哀しさを感じていても、感じていないフリで今日も働く。
だけど一度、売り上げへの執着を手放してみようかな。
まだ若かった頃、私がやりたかった水商売は、人の孤独に寄り添えるような存在だった。
今だってそうは思う。
でもなかなか、それでは経営は成り立たなかった。
人は孤独だけじゃない、厄介なものを沢山持っていて、人を傷つけたかったり、見下したかったり、利用したかったり、性を求めたり、依存したかったり、独占したかったり、妄想の世界に逃げ込んでいたり…
結局孤独は自分で何とかする以外には無いし、ボランティアじゃ食べていけない。
歳を重ねて、若い女としての価値は失われて、ホステスとしては瀬戸際だと思う。
だけどここにしがみつくんじゃなくて、この資本主義真っ只中でお金を掴む道具みたいな仕事から卒業できると考えたら、その後は私は何がしたいだろう?