「お稲荷さん」の話です。


全国に無数にある稲荷神社。

これがキツネとどういう経路で結びついたのか。

キツネが油揚げを好むとは本当なのか・・・・・。




日光滝尾神社  細くて吊り上がった目をキツネ目といいますが、

本物のキツネの目は細くも、吊り上がってもいません。日本犬に近い可愛い目です。




稲荷信仰とキツネの関係については以下の説が

説得力を感じます。



稲荷は「稲成り」、つまり豊穣をもたらす田の神の意。

キツネはその田の神の使者、または神の守護獣と

みなされたという説。


もともと稲荷神とキツネは無関係なはずですが、

神仏習合の影響でいつしか狛犬と同様の守護獣

に起用されたのでしょう。




今市滝尾神社  経典の巻物のようなものをくわえていますが

これは仏教に影響されたのかも。神道には経典はないはずですから

理屈の上では変ですが。




・・・では、なぜキツネが選ばれたのか。


●キツネは田を荒らす野鼠やモグラを捕食する

益獣であること。


●野生のキツネを何度かみたことがありますが、

あまり人を恐れる様子がありません。人と目が合っても

平気そうで、何となく親しみを感じる動物です。


こういう習性が他の野生動物とは違う神秘的な印象を

人に与えたとも考えられます。



狐山神社(日光)  ここは神社の名前が狐の山。


ちなみに県内には狐塚(こづか)さんという姓が多いのですが

これも稲荷信仰と関係があるのでしょうか。





狐山神社



最後に、油揚げとキツネの関係ですが・・・


私的には、単に色が似ている(キツネ色)ために

連想で結びついて稲荷ずしやきつねうどんが出来た

と考えています。肉食のキツネが油揚げを食べるかどうかは不明です。

雑食性のあるタヌキなら食べるかもわかりません。