「ま、あれだ……。
あんなところだとは思ってなくて社長もショック受けててさ。
おまえが社内で働いてるところを見ればタメ息ばっかだ。
で、今回のこともあっただろ。
しばらくお前に休暇やりたいんだと。
1ヶ月休暇とって仕事を休んでってさ。
からだが本当に復帰するためにも、そんぐらい休めって伝言を伝えにきたんだよ。
だけどさ、今日もお前があんなだったら、会うのも無理かなって思ってたらいつものお前になってるじゃん。
気抜けしたっつーか、ほっとしたって言うか、なんだろうな、この気持ち。
あんだけ狂暴な姿を見たせいで今のお前がいるのが不思議なんだな、きっと」
頭をクシャっとかきあげ『社長命令、1ヶ月の療養期間を取るように』そう告げた。
それは嬉しくもあり、けれど同時にお荷物扱いされているのかもしれないと思ってしまう俺は、自己満足の塊なのかなと考えてしまう。
けれど、その間潤といられるのは何にもかえられない時間だ。
あんな目に遭ったけど、そのお陰で潤と遭えた。
「すこし、一緒に行動できるのなら、俺の事も分かって欲しいし、潤の事も知りたい。わがままだよなぁ」
『じゃあな』と部屋を出ていく松岡さんの後ろ姿を見送りつつタメ息をつく。
「櫻井さん、バイタルとりますよ」
カーテン越しに看護師さんの声が聞こえるまで、今後の事を思っていた。