抱かれてると小さな頃のことを思い出す。
ナマエがなかったボクはおじさんにつけてもらったナマエを呼んで欲しくて呼んで欲しくて。
でもどうしたらいいのかわからなかった。
部屋のハシッコで膝を抱えてみんなが呼び合うのを聞いていた。
でも、ボクのナマエは出てこない。
いつのまにか、ポロンって涙が出ちゃったんだ。
ボクはどこまでいってもナナシのゴンべさん。
最初に気がついてくれたのは和也。智にぃもまーくんもボクのナマエを呼んでくれて、翔くんが怒ったみたいにこっちに来ればいくらでも呼んでやれるんだ、こっちに来いって。
すごく嬉しかったの覚えてる。
その日から翔くんが特別な人になったのも。
翔くん、寝たふりしてるけど、翔くんのいい香りに包まれてだっこしてもらうの大好き。
翔くん、大好きだよ。
みんなの中で一番好きって言ったら怒られちゃうかなぁ?