今日は雨。
りっちゃんもモルも毛繕いに忙しい。
ボクは一人研究室の窓から外を見る。
傘のお花がいっぱい咲いてきれいだけど、あの中にボクの事を知ってる人はいないんだ。
「ねえ、りっちゃん」
「きゅ?」
「りっちゃんにはパパとママはいないの?」
キョトンとしたりっちゃんはボクを指差す。
「そっか、りっちゃんのパパもママもボクだったね」
ふうってなっちゃった。
お昼間だけどもう寝ちゃおうかな。
でも、さみしくてかなしいユメがいつもボクを苦しめる。
でも、いいや。
もう、いいや。
かなしくてもだれももどってこないから。
モショモショと寝袋に入り込む。
りっちゃんももぐり込む。
モルと、ピヨはそこにいてね。
「りっちゃん」
「きゅんぁぁ」
「どうした?寒いのか?」
ん?
この声は誰だっけ?
「潤、もっとひっつきな、俺に」
あ……。
目を開ければ男の人のお顔。
これは、しょぉのお顔。
大好きなしょぉのお顔。
お外ではバナナの葉っぱを叩くスコール。
この音はさみしくない。
大好きなしょぉに抱きしめられてたらさみしくない。
南の国の雨。
りっちゃんがボクたちの間に潜り込んでくる。
モルもピヨもいないけど。
ちくんとさみしいこともあるけど。
しょぉの腕の中にいれば大丈夫。
キャラメルソング~番外 fin