「しゅ、ん」
「ん?」
「ボク翔さんに会いたい、今すぐ。でも、ボクが連絡とっても合えないと思う。厳しい人だから」
俯いてたら涙がジーンズに落ちた。
少しの沈黙。
「あー櫻井さん?潤がべろべろで収拾つかなくてマネさんでもなんでもいいんで回収して欲しいんです」
旬の行動の意味がわからなくて、
「ねえ、飲んでないよ?」
って言ったら口元に指を当てて喋るなって。
「はーい、お願いしまーす」
「旬?旬?」
「お前と話す機会はこれからいっぱいある。だから今日は今のお前の気持ちを優先しなよ。好きなんだろ?櫻井さんのこと」
旬の前なら隠さなくてもいいと思った。
苦しい胸の内を言ってもいいんだと。
「あ、のね。でもね、ボクは翔くんの事大好きだよ。た…きざわ君と関係を持ってからも…。
一度だけ決死の覚悟でぶつかった。でも…出された結果は【仲間】で…」
「だから?」
「こわいんだ。次は【仲間】でもいられなくなっちゃいそうだから」
そう、こわいんだ。
ボクは荷物を持って立ち上がった。
「どこ行くんだ」
「帰る。翔くんが来る前に帰る。ごめんね、ありがとう旬」
と…。
「【しょうくん】ってその人?」
指差した先には、
「翔くん!」
がドアにもたれて立っていた。