「すげえ」
「すごいね」
「んきゃきゃ!んきゃきゃ!」
あれから他の車と一緒に船に乗り、俺達は今ここにいる。
顔に書かれたメイクは完全に機械を騙し、お互いに干渉し合わない隊員達は顔を見ることもない。
部屋は独房のような作りだったけど幸い同じ車に乗ってきた人達が一緒だったから、潤やりっちゃんが萎縮するようなことはなかった。
ただ、二人きりにはなれないので、潤とベッドを共にすることは出来ても腕の中に入れて眠るだけ。
『しょぉ……』
スリスリと足を絡められてもどうしてやることも出来ないのが辛く、ある日寝静まった夜中にパジャマを脱いできたときにはさすがに……。
でも、指で胸を弄っただけで、
『ふぅん』
噛み締めた布団の隙間から吐息を漏らして身体をくねらせられれば続けることなど出来なかった。
『やめな、で』
『だめ』
『なんでぇ?』
『こんなかわいい声を他の人に聞かせらんないから。
だいたい、女の子の隊員さんとしていたのに男の子としてここにいるだけでも不自然なんだからね 』
潤は気がついてなくとも他の人の息遣い。
まあ、わからなくもないけどね。
そんな船での移動の終わり、任務地に着いた俺達は目を疑うような大自然の中で呆然と、ただ呆然と立ちすくんでいた。
続