突然潤様が僕の腰を抱えて笑い出す。
「翔、お前は・・・」
「な、なんでしょうか?
の、逆上せそうです。
先に上がってもよろしいですか?」
見え透いた嘘。
どうしよう、くっついたら僕のが固くなりそうなのに気付かれちゃう。
潤様のお腹にあたっちゃう。
でも、僕が必死で身体を離そうともがいても、潤様の力には敵わない。
ぴたっと隙間なく身体を密着させられ、お湯の入る隙間すらない。
「翔、何故ここはこんなになっている?」
恥ずかしくて、恥ずかしくて、穴があったら入りたい。
「俺の質問に答えないのか?」
「あの・・・」
「お前、三宅に反応しなかったんだって?」
「え?」
なんのこと?
「雄の部分を持つことは、必要なことだ。
まだ、お前には無理か?」
「あ、あの・・・」
三宅様に閨の手解きをされた事を言ってるんだろうか?
でも、僕、潤様以外となんてもう考えられない。
三宅様に何をされても僕の物は役に立たなかった。
ましてや、僕が抱かれるのではなく抱くなんて考えられない。
「12歳になったら、お前を連れて歩くようになる。
三宅からは聞いているな?」
腰を抱いていた手を弛めて、また先程までのようにゆらりと頭を縁に預けて目を瞑る。
「はい」
「だが、そんな悠長な事は言っていられなくなった。
数日で父が、死ぬ。
オレは男爵を継承する。
まだ、お前では秘書は無理だな。
岡田を使うしかない。
・・・オレは父の取引の道具であった。
位を継げば簡単には抱かないし抱かせない。
その代わりになる者が、秘書だとしたらお前はどうする?」
まだ、僕では役に立たないと潤様は仰る。
だけど、僕は潤様の秘書だ。
「抱く事は出来なくても抱かれる事は出来ます!」
潤様が目を開けた。
「それが僕の役目なら潤様以外にも抱かれる覚悟はあります!」
そう、それが僕の決意。
「ふっ・・・よく言った」
ああ、僕は・・・。
続