「ぎゃあ!」
浴室に響き渡る悲鳴。
ごろごろと股間を押さえながら転がる男。
僕の腰を持っていた男も呆然としているのか手の力が抜けた。
僕は男の顔を手近にあった桶で振り向き様に殴り、浴室の出入り口を塞いでいる人間に宣言する。
「どいて!
2度とこんなことしたら許さない。
噛み千切っても良かったんだ!
僕に触れて良いのは潤様だけだ」
睨み付ければ簡単に怯む。
群れなきゃ何も出来ない輩のくせに僕に触れようなんて許さない。
と、
「ふふん」
「く、くふふ」
更衣室から笑い声。
ざっと道が開け、その先に楽しそうに笑う三宅様と潤様が立っている。
「翔、来い」
「はい」
僕は潤様だけを真っ直ぐに捉えて歩いて行く。
「良い振る舞いだ。
褒美をやらなきゃな」
ご褒美・・・ゾクッと背中に甘いものが走った。
「お前は2度とこの風呂を使うな。
三宅、そいつらの始末は任せたぞ」
タオルにくるまれ抱き上げられた僕は、
「ああ、規律を守れない奴などこの屋敷には必要ない。
止めずに見ていたものは道場へ戻れ。
着衣は直すな。
裸で行け。
お前ら2人は・・・さて、楽しませてくれるか?」
冷たい笑顔を貼り付かせた三宅様から目が離せない。
ピュンっと鞭が鳴る。
冷酷無慙、そう潤様が言っていた、その意味が今漸くわかった気がした。
続