「それは望んでない。
三宅、翔から手を離すんだ」
ツカツカと歩いてきて、三宅様の手の中から僕を救い出してくれる。
シャツの拘束を解いた後、
「そのソファーで待ってろ」
そう言って三宅様に近づいた。
「あれ、残念。
会長はどうしたの?」
「爺さんの癖に無理すっから、オレの上で泡吹いたよ。
死んじゃいないけれど、みっともない事この上ないな。
早々にお引き取り願った。
親父は苦笑いさ。
取引の代償に息子を抱かせようとしたのにさ」
「ふうん、じゃあ、潤ちゃん満足してないんじゃないの?」
バサッと背広を投げる。
「してないな」
僕の見ている前で、シャツやズボンを脱ぎ散らかし、三宅様の肩を押して乗り上げる、松本様。
「そもそも、オレを満足させられる奴なんか限られてる」
僕が貫 かれるはずだったそこに松本様が・・・。
「くっ、あ」
「駄目じゃん、潤ちゃん、子供が見てる前なのに」
「うる、さい。
翔は、部屋に帰っても良いぞ」
そう、言われたけど、三宅様の上で汗を飛ばす松本様から目が反らせない。
「翔」
松本様を揺らしながら、三宅様が僕を呼ぶ。
「潤ちゃん、綺麗でしょ。
お前もこんな風に潤ちゃんを満足させなきゃね。
まあ、先ずは潤ちゃんに抱かれ方を教えてもらいな」
それも、学ばなきゃいけないことだからな。
三宅様がそう言った気がした。
「みや、け・・・オレに集中しろよ。
まん、ぞくしてないって、言ったじゃないか!」
「もう、仕方がないな」
「ぁっ!んっあ!」
僕がいようといまいと繰り広げられるそれ 。
何度も僕の目の前で繰り広げられてきた行為なのに。
見慣れたもののはずなのに。
今、僕が動けないのは、目を反らせないのは。
窓から溢れる木漏れ日の下、あまりにも美しい松本様の姿があったから・・・。
僕の中で何かがぞくりと動いた。
抱かれる姿がこんなにも美しいなら、僕を抱くときはどんな姿を魅せてくれるの?
潤様、僕を・・・。
続