「あづ」
ボクはカズと抱き合って寝てたんだ。
翔くんに抱きついて寝るのがここのところの恒例だったんだけど、
『今日はカズに譲るよ』
ってそう言って、一番はじに横になった。
『やっぱり、くっついて寝ると暑いな。
エアコン、少し強くするから』
そう言ってエアコンの温度を下げたから、みんなで寝ても快適なはずだった。
それなのに今、確実に室温が上がってる。
なんで?
カズの腕から出て身体を起こせば、何となくみんな苦悶の表情。
暑いよね、暑いんだ。
下げなきゃ。
エアコンのリモコンを探して、キョロキョロすると、ベッドのはしに腰かけている翔くん。
一生懸命笑いをこらえている翔くんの手にはリモコン。
「しょ、」
ボクが何かを言う前に口唇に立てた指をあて、手招きした。
カズとまぁを乗り越えて翔くんの所に行けば、タオルケットとをめくってベッドを叩く。
「潤は俺の腕の中で寝るの」
みんなから少し離されて、ボクは翔くんの腕の中。
ピッ。
翔くんがリモコンを押せば、涼しい風がすぐに出てきた。
半分寝ぼけていたボクは、翔くんの腕の中ですぐに眠ってしまったから、
その後、翔くんがどんな顔をしていたかは知らない。
策士、櫻井翔でした。