「あいばくん・・・ボク・・・」
指が白くなるまでギューッと僕のシャツを握り締めて・・・。
眼も真っ赤だったし、眠ってないんだ。まあ、僕も人のこと言えないか・・・。
「潤、ごめんなさいは、僕もだよ。昨日はごめんね、ひどいこと言った挙句、驚かしちゃったよね」
そしたら、潤は頭をブンブン振って、顔を真っ赤にして喋りだした。
「でも、ボク、相葉くんに怒られて当たり前だって思った。
翔くんにフラれてから、自分の事しか見えなくなってた。
周りのことなんてどうでもいいって、自分が可哀想だってそれだけしか考えてなかったんだもん。
だから!」
「分かった、分かったから、潤。ちょっと落ち着こう?」
「でも!」
「『でも』、は、このお仕事から終わってからにしよ?
ほら、お仕事しに来たんだよ、僕ら。ね?」
「あ、またボク・・・」
周りが見えて無かったって小っちゃく呟く潤。
ちょこんと椅子に座って、
「相葉くんは、やっぱりすごいなぁ・・・」
「なんで?」
「だって、ボクに謝らせてくれた・・・。ごめん、やっぱ大好き・・・」
「頼れる兄貴でしょ?」
そう言ったらちょっと複雑な顔をして笑った。
ん?そうじゃないってこと?
それとも、昨日の事が尾を引いてるからかな?
『ごめん』 って、僕の気持ちに対しての伏線だよなぁ・・・。
『大好き』の意味が、潤と僕とじゃちがうんだ。しょうがないけどねぇ・・・。