「んふふ~こんときさ~じゅぅんが、こけたんだよ~ねぇ~」
ツアーの映像が見たいと、ガサガサ出して来た雅紀。
もう十分酔っぱらってんだから、と嗜めたが聞く気を持たず、
『これぇ~見るぅ~』と出して来たのは、オレ達のanniversary tourだった。
何でこれを?と思いつつも見ていると、МCの特典映像でケタケタと笑いながら指をさしてご機嫌だ。
「雅紀、いくら明日オフだからって、飲みすぎだぞ。二日酔いになる前にやめとけ」
「やだぁ~!じゅんこそ飲んでない~!」
缶ビールを離さず、そのまま飲み続ける。
「あ~、じゅん、ケーキ手づかみ~!あはははは、手ぇ洗ってるしぃ」
しょうがない、すきっ腹で飲ませ続けるわけにもいかないだろう。
冷蔵庫を漁り、つまみになりそうなものを持ってくると、ソファーを1人で占領し、長い脚がはみ出ている。
「こら、俺の座るとこが無いだろうが!」
「ここ、ここぉ」
と指差したのは自分のウェストの部分辺りで、まあ、こんだけ細い雅紀なら座れるだろうと、腰かけ、
暫く一緒に映像を見ていると、いきなりギュッと俺の腰に手を回して来た。
ビックリして見れば、にこにこした顔のままで寝落ちしている雅紀。
「だから、言ったのに・・・」
なんだか今日の雅紀は妙にはしゃいでいたなぁ・・・。良い事でもあったんだろうか?
「じゅぅん」
「何?飲みすぎたな。気持ち悪いのか?」
「うう~ちがぁう。・・・じゅぅぅんん」
「だから、どうした?ベッド行くか?自力で行けない、よな・・・」
「あのねぇ、しょぉちゃんねぇ~怒ってないよぉ~」
ばっかだな、コイツは。そんなこと言うためにわざわざ餃子を一緒に食べてなんて言って、
言い出せなくて間が持たないもんだから、俺の誕生日が収録されているのを選んで、飲みすぎて・・・。
「わかってるよ。翔さんは俺の事を心配して言ってくれてるんだってこと。大丈夫だから、心配するな」
「よか、たぁ~。ボク、じゅんもしょ~ちゃも、だいすきだからぁ、けんか~やだ~のぉ~」
そう言って、雅紀は本格的に寝てしまった・・・。