当然のように撮影は中断。
でも、今日を逃せば5人で集まれるのは、何日か先。
せっかく用意したセットも機材も全てが使えなくなるのは痛いから、と言うスタッフさん。
そりゃそうだよね、まだ人気もボチボチな僕らにそんなお金を掛けられないよね・・・。
でも、潤くんがあんなじゃ、撮影なんてできないよ。
潤くんに何が起こってるの?
楽屋で横になる潤くんは青ざめて気を失ったまま。
おいらたちには何もできない。
そっと額に浮かぶ汗を拭う。
本当は今すぐ病院に連れて行ってあげたい。
でも、マネージャーからは中止にできないって言われた。
なんかすごく高いカメラを借りてるから無駄にはできないんだって・・・。
でも、そんなこと言っても・・・。
みんなが来たら、みんなでお願いしよう。
翔くんや相葉ちゃんにもお願いしてもらおう。
そんで、何が原因かつきとめなくちゃ!
その時、扉の外で社長に電話をしていたマネージャーに遠くから
「おはようございマ~ス!あれぇ?撮影は?休憩ですか?」
と声をかける翔くんの声が聴こえた。
「ん・・・」その声に呼応するかのように、潤くんが眼を開ける。
そして、弾かれたように身体を起こした。
「ちょ、潤くん!」
「まだ寝てないと!」
「・・・・・・平気・・・、翔さんきた、ね?」
「じゅんく、ん?」
何を言ってるのかが解らなかった。
ふらふらする身体で立ち上がり、毛布を畳んで鏡の前に座る。
手早くヘアメイクを治すと
「お願いします。今あったこと、翔さんには言わないでください」
とおいら達に頭を下げ「スタッフさんにも、お願いしないと・・・」と足早に楽屋を出て行く。
潤くんが出て行った直後、翔くんが「あ、松本、おはよ~」と言ってるのが聴こえ
「おっはよ~翔さん!オレの番だから先行くね~」
とさっきまでの状態を微塵も感じさせず答える潤くん。
「おはよう。どうしたの?鳩が豆鉄砲喰らったみたいな顔になってるよ、二人とも」
と翔くんが入ってくるのをおいら達は呆然として見ていた。