「しょぉちゃん、潤を迎えに行って、その後どうするの?潤は前に住んでたマンションには戻れないでしょ。マスコミが嗅ぎ付けないはずないし・・・」
迎えに行って来ると告げた時、不安を口にした雅紀。
「また、ホテルだろうなぁ・・・」と言う俺に「しょぉちゃん、一緒に暮らしなよ。それが一番潤を守れるでしょ?俺に遠慮することないよ。だってさ、しょぉちゃん、潤のこと、本気でしょ?」迷いのない眼で言う雅紀。
「俺、しょぉちゃんが一番好きだから。しょぉちゃんが幸せなのが俺の幸せだからさ」
「雅紀?」
「解ってるんだよ・・・俺、しょぉちゃんの二番なの。一番は潤でしょ。だからさ、暮らしちゃいなよ。もう、後悔するようなことしちゃダメだよ?潤を離しちゃダメだからね」
瞳に溢れそうな泪を浮かべ「くふふ、知ってんだから。ずっと、意地悪してゴメンね」と笑う雅紀が愛しくて、力一杯抱き締める。
「ごめん、ね、雅紀」
「ふふ、しょぉちゃん、だぁいっ好き。・・・でも、潤も大好きなんだ、俺」
俺の肩を濡らしながら雅紀が呟いた。
雅紀と潤を比べる事は出来ない。
だけど、ごめん。どちらかを選ばないで逃げるのはお前の見せてくれた誠意を裏切ることになる。だから、俺の気持ちに素直になる。潤を選ぶ、ね。
「潤、そろそろ着くから起きて」
「ん・・・」
「ゆっくりでいいよ。駐車場まで迎えに来てくれてっから、荷物は任そう。俺はお前抱いて行くわ」
「え・・・?誰?」
駐車場に車を入れながら俺は少し笑う。
「お前を早く探し出して、迎えに行けって、ずーっと俺の尻を叩き続けてた奴。お前が自分から出て行ったんならしょうがないかなって言ったら泣きながら俺の事ぶっ叩いてさ・・・そんなこと言ったら翔ちゃんの事好きになった潤が可哀想だ。好きにさせといて狡いって言われたよ・・・」
「だ、れ?・・・もしかして・・・」
「あ、ほら、あそこで手を振ってる」
駐車場で嬉しそうに手を振っているのは・・・。
扉が外から引きあけられ「潤!お帰り!」飛び込んできたのは「まー・・・!」