翔さんの冷たい声に顔をあげる。
「死んだと思うよ」
そう言った翔さんは見たこともない表情で、オレから眼を逸らす。
でも、何を言えば良いのか解らない。翔さん、オレ・・・。
「じゃあな、潤、さよなら」
扉を出ていく翔さん。身体が動かない。
扉が閉まる瞬間、空白になったオレは「いやだ!行かないで!翔さん!」と叫んでいた。
でも貴方は・・・「俺が欲しい?なら、選べ。嵐へ戻る道にしか、俺はいない。お前が今行こうとしている道には俺はいないよ。この場に立ち止まって、誰からも必要とされることなく、心も身体も朽ちて行けばいいさ」 冷たい目のままオレを捉える。
翔さんの突き放した言葉に身体が震える。これが、最後なんだ。選ばなきゃいけない。戻るか戻らないか、翔さんがオレに問いかけてる。
メンバーもファンも関係ない。オレがどうしたいか・・・。
「翔さん・・・オレ、あんた無しで生きていけないよ。バカだと思うならそれでも良いよ!ずっと拒否してきた復帰をこんなことでって思われても!でも、いつか、あんたに会えるそれだけで、オレは生きてきたんだ・・・」
なのに、それすら許さないなんて言わないでくれ!
「あんたが行くなら、オレ、もそこに行く。オレの進む先は翔さんのいる場所だ」
扉に手をかけたまま何も喋らない翔さんを後ろから抱き止めた。