かようにして乗りつぶして来たLRTですが、少々気になる点や疑問もありました。

まずは、行にかぶりつきで乗っていた時の乗り心地。
結構揺れるんですよね。ガタガタではなくユラユラとつり革とかに掴まっていないと辛いくらいの揺れです。
なんか道床の手入れが悪いローカル線のような感じ。出来立てなのになー。まさか突貫工事で道床の付き固めが不十分という事は無いよね。
これは帰りに座っていた時はあまり気にならなかったので車端部に立っていたからなのかな?
LRTの車両は3両編成なのですが、その3両で全長は29.52メートルとはあるものの、あちこち見ても1両ごとの長さが書かれていないですよ。3車体連接だとも書かれていて、だから1編成でひとつという事なんでしょか。
だけど感覚では連接車体と言うと小田急ロマンスカーみたいな連接台車を用いた構造ですよね?ちがうのかな?
LRTの車両は1両ごとに台車が付いているようで連接台車にはなっていません。ですからこれを連接車と言うなら宇都宮線の15両編成も連接となりますよね?
その台車ですが、1両にひとつしか付いていません。つまり車輪の数は2軸貨車や南部縦貫鉄道のレールバス(これも書くの面倒だなNRBでいいや)と変わりなくて、極端に言えばトロッコを3両繋げている様なものですね。
そしNRBは軸間距離が長いのに対してLRTは結構中央寄り。だから車端部は妙に揺れるのかな?



ちなみにNRBは車体長が約10mで定員は60人(座席は27人分)ですから、3両繋げれば30m、180人、(81人)に対して、LRTは29.5m、160人、(50人)ですのでNRBの方が乗れるし座れるんですねぇ。

さて、その座席ですが、「宇都宮駅東口」でどの席に座ろうかと折り返し準備中の車内を外から見て気づきました。
窓割と座席位置が合っていないのですね。



これでは、せっかく窓が大きくてもチョットね、です。
それと背もたれの座席間部分ですが、なんかキハ20などの排気管が通っている部分みたいに広いです。おそらくはモーターや車輪の収納スペースの関係でそうなっているのでしょうが、デッドスペースが多い様に感じます。



もうひとつ気になったのが料金支払い方法です。
まずは上の画像にもあるカードリーダー。
乗車用と降車用があってその表示もあるのですが、いざタッチとなると結構戸惑います。



降車用は少し内側に角度が付いているのですが、それでも両方目に入ります。なので不慣れな人だと、え~と、となって一瞬立ち止まって乗降時間にロスが生じますし、慣れた人でもついうっかり違う方にタッチとなりそうです。
また、乗車用は完全に歩行方向に平行かつ少し位置が低いのでタッチしにくいです。
降車用は子供だとちょっと高いかな?
柱に角を付けて背中合わせにリーダーを設置する事は出来なかったんですかねー。
てか、そもそも一つのリーダーで乗車と降車が扱えるシステムは作れないのでしょうか。
間違って違う方にタッチした場合どうなるんだろう。

それと、現金払いの場合。
支払い方法は乗車時に整理券を取って、降車時に一番前で支払いです。(ICカードはどの戸でも降車可)
このやり方は従来のバスと同じなのですが、整理券発行機が車内ではなくて停留所にあります。
で、降車時に整理券を運賃箱に入れると料金が表示されますので、その金額を同じ投入口に入れます。もちろん車内に料金表もありますので、整理券とお金の同時投入も大丈夫です。
運賃箱に整理券情報を読み取る装置が付いているんですね。これはすごい。
じゃない!
この辺りの人は駅に乗車駅証明書発行機があるやり方には慣れていません。私も「そう言えば整理券発行機は何処にあるんだろう」と車内を見渡してしまいました。それを知ったのは発車してからの車内放送でです。
そして、運賃箱はカードチャージ機能はあるのに、おつり機能はありません。いったん両替してからの支払いです。
これって、旧態依然ですよね。
都会のバスの運賃箱はおつりが出ますよ。もちろんカードの支払い、チャージもできます。
これじゃ、降車に時間がかかって大遅延になるのも当然ですね。
車内に空き地があるんだからそこに精算機を置けばいいのに。

まぁ、この様に何かと問題ありげなスマートなんだか無駄だらけなんだかの車両はHU300形といって、芳賀(Haga)と宇都宮(Utsunomiya)を結ぶ3連接車という意味だそうで、3両で1車両ですからよくあるクモハとかではなくて、それぞれの箱はパーツ的な扱いなのでしょうか、例えば第1編成ですと、HU301-A HU301-C HU301-B と表記されています。
色は黄色と黒で車両愛称は「ライトライン」です。なんか路線名とごちゃごちゃになりそうですね。



こちらにも意味がありまして、
『雷都+LINE(道筋・つながり)「雷都」を冠した愛称。「LIGHT」はLRT(Light Rail Transit)の一部であることはもちろん、「光」「明るい」の意味もあり、「LINE」との組み合わせにより、「(未来への)光の道筋」といったメッセージも込められた愛称です。』だそうです。
でも、地元の人に言わせれば「ありぁ、スズメバチだぁ」

てなこんだで、LRT初乗りをして来たのですが、「宇都宮駅東口」で次の列車を待っているときに軌道の中に距離標と思われるものがあるのを見つけました。



これって「-0.2Km」という事なのでしょうか。それとも「0.2Km」?
いずれにせよ、始発駅のホーム中央付近にありましたので、本来なら「0」のはずだと思うのですが。
なのに-0.2という事はもしかしてLRTの起点は「宇都宮駅東口」ではなくて元ローターリー入口交差点なのかな?
逆に0.2だったら起点はJRの宇都宮運転所辺りとなります。
そこに0Kmポストがあったらおもしろいな。

もしかして、-0.2という事は軌道免許を得ているのが元ローターリー入口交差点からなので、そこから「宇都宮駅東口」までは民有地内という事で別物になっているのかな?
逆に0.2だったら、駅西延伸を目論んでそこまで免許取得済み?

そう、LRTは宇都宮駅の西口を通って大谷の方へ延伸計画があります。
それによると西口へは、「宇都宮駅東口」からそのまま進んで高架に登り西へ向きを変えて、宇都宮駅の北部分で宇都宮線を越しつつ東北新幹線をくぐって南に曲がり、そのまま高架か地上に降りるかして宇都宮駅西口に達するという、ぐるっと大回り。
これもまだるっこしいな。
LRTは60‰を登れる能力があって、


「かしの森公園前」~「芳賀・高根沢工業団地」

あの清原宇都宮陸軍航空廠線 が鬼怒川渡河・清原大地への登坂が出来ずに清原~宝積寺の開業を強いられた所をすんなりとやってのけているんだから、ロータリー入口交差点から上り坂にすれば十分に宇都宮線を越えられる高さに達する事が出来るので、そのまま宇都宮線を越えて駅ビルをぶち破ってまっすぐ行けばいいのに。渋谷駅改良工事より簡単でしょ。
ただし、そうまでして延伸しても、東口には大谷方面だけでなく多方面への路線バスが乗り入れているので、作新学院辺りにトランジットセンターを作ってバスからはそこで乗り換えという訳にはいかないでしょう。
また、LRTが出来てバスを大通りから追い出してとしても他地域からの一般車や商用車が減るとは思えませんので、軌道を作る為にただでさえ混雑している大通りの車線をつぶしたりした日にゃ……。

う~む。そっちはこっち以上にすったもんだがありそうだなー。


明石志賀之助もそっちは嫌だと言ってますよ~。