お宝の隅の方 2
1960年1月号の時刻表。
欄外には特殊弁当の他に名産も書かれています。
それをズルズルと値段と共に書き出してみましょう。
まずは関東甲信越。
東京 雷おこし 50 江戸ツ子飴 85 カステラせんべい 100 江戸ッ子饅頭 50
福神漬 260 塩釜王だれ 150 1080 羊かん 230 カステラ 450
日本橋羊かん 240 最中 300 落がん 40
横浜 亀楽せんべい 100 蒲ぼこ 100 梅干 100 小梅干 100 甘露梅 100
大船 生ビール 100
小田原 生ビール 100
熱海 わさび漬 50 鯛味噌 50 栗せんべい 100 天の川 100 金色餅 100
お宮の餅 100 初島 100 オレンジ漬 200 生ビール 100
伊東 わさび漬 50 鯛味噌 50 栗せんべい 100
大月 月の雫 100
笹子 峠もち 50
日下部 ぶどう 時価
甲府 月の雫 100
韮崎 月の雫 100
信濃大町 わさび漬 50 峰蜜 110
成田 栗羊かん 50
館山 枇杷餅 50 枇杷羊かん 50
勝浦 たいせんべい 50 たいみそ 50
安房小湊 たいせんべい 50 たいみそ 50
安房天津 たいせんべい 50 たいみそ 50
安房鴨川 たいせんべい 50 たいみそ 50
大網 ひしほ 50 宮谷餅 100
銚子 ひしほ 100 かつをぶし鉛 100
上野 雷おこし 50 西郷煎餅 100 福神漬 260
大宮 芋煎餅 100 五家宝 50
宇都宮 宮の餅 50 柚饅頭 100 干瓢 100
水戸 梅ようかん 50 水戸の梅 50 吉原殿中 50 乃し梅 100 鯛みそ 50
栗ようかん 50 納豆 50 梅酒 150 梅干 100
熊谷 五家宝 100
高崎 観音力 100 麦落雁 100 磯部煎餅 100
越後湯沢 なめこ 170 薄荷糖 80 飴最中 100 たいの子塩辛 75
着物オケサ人形 150
六日町 薄荷糖 80
小出 またたび 80 なめこ 170 薄荷糖 80
小千谷 またたび 80 なめこ 170 薄荷糖 80
宮内 薄荷糖 80 飴最中 100
長岡 薄荷糖 80 飴最中 100 越後ゆべし 50 たいの子塩辛 75
着物オケサ人形 150 越の雪 220 柿の種 30 米百俵 100
味噌漬 150 またたび 80 なめこ 170 笹餅
東三条 たいの子塩辛 75 笹飴 50
新津 三良だんご 100 幸清水 160
新潟 越後柚餅子 50 梨の実 100 雪国 100 松露 370 おぼろ月 130
チューリップ球根 100 金山焼 時価 竹細工 時価
柏崎 明治まんじゅう 50 三階節煎餅 120
磯部 磯部煎餅 100
横川 磯部煎餅 100
長野 菓子ぐるみ 70 栗落雁 100 そば落雁 100 栗羊かん 180
栗かの子羊かん 200 くるみ銀糖 100 りんご 時価 杏しぐれ 100
高原しぐれ 100 玉だれ杏 100 くるみ牛肥 100 小布施栗 100
信濃ぐるみ 100 善光寺豆 30 みすず飴 50 信濃そば 120 茶そば 130
田口 るり飴 180 雪在所 130
高田 るり飴 180 初あられ 50 雪在所 130 四海波 150
直江津 笹飴 20 翁飴 100 るり飴 180 初あられ 50 雪在所 130 四海波 150
たらの子塩辛 100 昆布茶 100
名産には食べ物以外も書かれています。(青文字)
が、名産となると名前からは中身が解らない物も増えて、本当に食べ物かどうか解らない物が見受けられます。この辺りは今と同じですね。
またその多くが現存しないもしくは改名されている物と思われます。
東京駅で言えば「江戸ツ子飴」などどの様なものか詳しくは解りませんね。ホームで飴細工を売っていた、なんて事は無いでしょう。「塩釜王だれ」は「玉だれ」の誤植か印刷の不具合と思われます。「玉だれ」は現存しますね。「羊かん」「カステラ」「最中」はストレートすぎてこれまたよく解りません。てか、東京の名産なの?おそらくは東京駅近くの名店の品という事なのでしょうね。
横浜駅では「亀楽せんべい」なるものが名産。いまでは横浜と言えば「ハーバー」を筆頭に様々な名産菓子があるけど、正直、これは知りませんでした。「ハーバー」もこの頃には売りだされていたけど、それを押しのけての横浜名産とは。
「亀楽せんべい」は伊勢佐木町にあった老舗菓子店の様で、その建物「亀楽(きらく)ビル」は現存しているみたいです。その他の名物が「蒲ぼこ」と「梅」というのもねぇ。
てな感じで書いていたらきりが無いのであとはさらっと。
基本的にはその土地の名産物もしくはそれを使った物で、菓子類となると煎餅・饅頭・餅。それも銘菓ではなくてその地のトップ店の品が並べられて、何かドロドロした裏が感じられるのは気のせいでしょうか?
熱海駅はいかにもトップ観光地らしいネーミングの物がありますが、内容は基本路線は外していないですね。「天の川」は今風スイーツを思わせますがやはり饅頭で現存しているようです。
中央線沿いのラインナップは今と変わりは無いようですが、現トップ銘菓の信玄餅はまだ作られていませんでした。信濃大町駅の「峰蜜」は一時有名になった?蜂蜜ですね。
千葉は千葉らしいですが、「ひしほ」は千葉に限ったものではないですな。
常磐線・宇都宮線・高崎線はなんら違和感が無いです。(笑)
宇都宮名産が宮の餅・干瓢という所をもってして全てを語ってますね。
高崎駅の観音力はクグるとなんか出るけどこちらは餅系で現存しているみたい。
越後湯沢駅の「着物オケサ人形」は駒子さんを思い出しちゃうけど新潟駅にもあってたぶん今でも老舗土産物屋の片隅にいるんだろうなー。「金山焼」はキンザンで無名異焼の事かな?チューリップもまだ貴重品?
新潟地区も名称から中身が解らない物が多いなー。
長岡駅の「飴最中」は現存していて、あんこの代わりに水飴が入っている物だそうでおいしそう。でも食べにくそう。今度行く事があったら土産決定。「またたび」も一緒にね。
長野方面は比較的素直ですが、長野駅以遠で飴が見られます。これは原料がもち米(古代粟)の日本古来の水飴を元にしてつくられる飴の様で、「るり飴」はまりも羊かんの様にゴム風船様なものに入っていて、食べる時はプチンとやるみたい。なのでプルンと柔らかい飴。「みすず飴」はもう少し固くてキャラメルの様に包んであるみたいです。
もしかするとこの頃各地で見られる飴というのは基本水飴系なのかもしれませんね。
と、すると東京駅の「江戸ツ子飴」は江戸っ子と言うだけあって超固なのかな?
最後は大船、小田原、他で見られる生ビール。
これは使われていた器が気になります。ガラスジョッキだったのか、紙コップだったのか。
販売個所は立ち食いそばコーナーか売店だったのでしょう。専用コーナーを設けるほど需要があったとは思えませんし、どこぞの球場みたいにサーバー背負って立売もこの頃は考えにくいですね。
販売期間は時期が書かれていないので通年販売?
さて、その値段ですが、当時の大瓶価格(120円だったみたい)より安いんですよね。(100円)とすると、量が少なかったのかな?
で、問題の容器。
ジョッキの方が気分はいいですが、そうなると車内持ち込みができませんね。
この頃の列車は非冷房が当たり前。となるとやはり列車内で呑みたいじゃないですか。なので紙コップ販売であったのではないかと。釜めしや汽車土瓶の様な使い捨て陶器ジョッキは聞いた事が無いですし。
前年には野球場でビール1本分を紙コップに入れての販売が始まっていたのですが、これは駅売りのスタイルを真似たのかもしれません。(試合に負けてカットなってビンを投げられると危ない対策)
今の様に密閉車内で激安酎ハイを呑んでいるのと違って、夏風を浴びつつ飲む生ビールはさぞかしおいしかったのでしょう。
でも値段が駅弁と同じくらいなので、やはり手が出なかったかな?
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