<第38号 TOP 画像                          ж 38 ж ディープパープル>

ж 41 ж 「逆効果」

 投稿日時 2010/11/20(土) 午後 6:12  書庫 猫の間  カテゴリー
 




  「はな」は私に抱っこされるのを嫌っています。「まめてつ」もそうです。
 「まめてつ」のいやがり方は以前も書いたように抱っこすると無言で私の鼻に前足をピトッと当てて動きを封じるような仕草なのですが、「はな」は抱っこされると
「イヤ~、イヤ~」
と鳴きながら(はっきりそうは鳴きませんがたぶんそう言っているのでしょう)猫キックを繰り出してきます。
 なぜこんなに嫌がられているのに抱っこしてしまうのでしょう。
 それは面白いからです。
 あっ、かわいいから、でもあるんですよ。
 で、「まめてつ」は抱っこすると初めは体をねじって逃げ道を探すのですがそれがかなわないとなるとまず前足をピトッ、そしてじっと私の顔を見つめてきます。顔を少し下げて前足をかわすと後を追ってまたピタッ。それを繰り返しているうちに本格的にじたばたしだしますのでそれで抱っこは終わり。開放です。
 でもこの仕草があだに。子供達にも受けるのでついつい何度もやってしまいます。
 「はな」は抱っこするとすぐに声に出して嫌がり上体を逃げる為にねじったまま抱きかかえている私の手に猫キックの容赦ない猛攻撃。その足を封じようと押さえつけたりすればますますエスカレート。ねじっていた上体をこちらに向けると押さえつけている私の手を前足でがっしり掴んで出力100%でガシガシガシ。ついでに牙でガブッ。
 こうなると私も負けていられませんから左手で前足の付根を背中から押さえて右手を「はな」のあごの下へもぐりこませるようにして、手足を押さえ込みガッチリ拘束抱っこ、へ。いや、こうなるともう抱っこではないですね。対戦モードです。
 いや、いじめかな?
 でもこの抱っこ(対戦)は長くは続きません。いつも私の根負けです。
 「まめてつ」は鼻ピトッの時に爪を出すことはありません。しかし、「はな」は鈍く光る18本の爪と4本の牙をシャキーン。手がもちませーん。
 でも懲りません。その手の生傷がいえていないというのにまた抱っこ。そして傷を増やすの繰り返しです。
 つまり「はな」を抱っこするのは抱っこしたいからではなく「はな」と戦い遊びをしたいから、という事なのでしょう。
 「はな」と「まめてつ」がこの様な行動に出るのは私にだけです。奥さんが抱っこするとじっとしてゴロゴロ言っています。ですからよっぽど私の事が嫌いなのだろうと思われもしますがあにはからんや。時には私が抱っこしてもゴロゴロや自らひざの上に乗って来たりすることもあります。単に猫らしく気分屋という事なのでしょうか。
 「はな」に関してもうひとつその爪と牙が面白くてやってしまう事があります。
 我が家の居間のストーブの前。その温風が強くあたるところによく「はな」が(他の猫もですが)ゴロンとしています。ストーブは出入り口の近くにあります。ですから部屋への出入りの際には「はな」をまたがなくてはなりません。奥さんなんか時には
「えーい、邪魔」
と足で押しのけたりもしています。
 私はそんな事はしません。奥さんは時には洗濯籠などの荷物を持って通る事があるので本当に邪魔な場合があります。でも私はそんな荷物など持って通らないので(アハハ、全然家事を手伝っていないのですね。ゴメンナサイ)邪魔扱いした事はなくその上をスッと通過します。
 そ・れ・な・の・に、「はな」は通過する数々の足のうち私の足にだけ攻撃をしかけてくるのです。
 やはりよっぽど嫌われているのかなー。
 で、やはりそれも面白いので、
「ほれ、やってみろ」
と、またぎかけた足を「はな」上空で一時停止させて挑発。でもこれはちょっとからかうだけにおきます。裏はともかく足の甲の皮膚は手や腕に比べてかなりやわなので深追いするとかなりひどい目に合いますので。 
 さて、「りら」ですが、彼女も私に抱っこされるのが嫌いです。どの様に嫌うかと言うと、あれ?どうだったかな。その昔、「こてつ」は抱っこが嫌いではなくいつもゴロゴロ言っていたのですが「りら」はどうだったのかなー。
 もちろん今でもたまに「りら」を抱っこします。でも彼女は文句を言うだけで特に抵抗はしません。「はな」の様に
「イヤー」
と、鳴くのではなく
「なに抱っこしてんのよ!」
という感じで鳴きます。
 で、歳も歳なのであまりストレスを与えるのは良くないとすぐに開放してしまうのです。
 ですから昔「りら」がどの様に抱っこを嫌がっていたかをすっかり忘れてしまったのですが、「りら」自信も忘れてしまった事があります。それは「待て」
 昔は食卓の上の物に手を出すことはありませんでした。子猫の頃から散々怒ったので「こてつ」と一緒にじっと食卓を囲んで与えてくれるまでじっと待っている猫でした。
 ところがこの頃それが出来ません。卓の上に食事が並ぶと
「おっ、ご飯かいな」
と、手をかけ首を伸ばして来ます。油断していると持っていかれます。歳のせい?それとも「私が長老。一番偉い」とでも思っているのでしょうか。
 そこで食卓に手をかけたら「りら!」と怒る訳です。
 ところで、猫などの飼育本には名前を呼んで怒ってはいけない、と書いてあるものがあります。「名前の音=怒られる、恐怖の対象」となって良くないからだそうです。「名前を呼んで怒る事は怒った事にならない。かえって逆効果になる」。と。
 でもウチでは「こてつ」が「こてつ」になった時から、「りら」が「りら」になった時から名前を呼んで怒っていました。「はな」も「まめてつ」もみんなそうです。それによって名前を呼んだだけで逃げるとか、ぐれてしまうとかは全くありませんでした。
 猫はそんなに単純な生き物ではありません。しっかりこちらの感情を読み取ってくれます。猫なで声で「こてつー」、「りらー」と呼べば寄って来ますし、悪い事をしている時には「こー」と名前を呼びかけただけで「こてつ」は逃げていってしまいましたし、「リラッ」と怒れば「なによっ!私悪い事なんかしてないわよ!」と文句を言っていました。(あっ、昔から「りら」は高飛車で私が一番偉い、だったんだ)
 かように猫の心の奥底はしっかりと深いものです。ですから「はな」が私を嫌って抵抗する事が逆効果となってますます私に抱っこされてしまうのではなく、もしかすると抱っこされた時はバトル遊びを楽しんでいるのかも知れません。でなければ私の手の届く範囲で完全に油断しているはずはないのですから。
 この考え方自体がいい迷惑かなー。

 ところで最近「まめてつ」がウチの他の猫が一切やらなかった事をやるようになりました。それは「目覚ましふみふみ」です。
 「こてつ」や「りら」は朝私達が起きるまでしっかり寝ていました。で、起き出してはじめて「飯くれにゃーにゃー」と騒ぐのです。決して「おーい、朝だぞ。飯くれー」と起こす事はなかったのです。
 ところが「まめてつ」は目覚まし時計が鳴ると人の上に乗ってきて「おーい、朝だぞ。早く飯くれー」と布団の上から「ふみふみ」。
 でも、これがマッサージのようで実に気持ち良く、目覚まし時計で起きかけたのにまた眠りに落ちてしまうのでありました。全くの逆効果です。   


--第38号(平成20年6月1日)--

猫と鉄道 トップ → http://www3.yomogi.or.jp/skta1812/main/index.html

猫と鉄道  書庫  → http://www3.yomogi.or.jp/skta1812/syoko/syoko.html

コメント(3)

 

 

アイコン0  
   
面白い日記ですね。(古いけど・・・・。)
っで、やっぱり花ちゃんはnekotetuさんとあまり相性が
よくないんでしょうね。うちのぎんは抱いても嫌がりませんが
重たいので、すぐに下ろします。ゆめは少し嫌がりますが、酷い目にあったことはありません。朝のマッサージ羨ましい。時々そういう猫
テレビで見ますね。でもうちはいままで一匹もいません。  
2010/11/20(土) 午後 10:54  ひろ
 
アイコン0  
   
相性が良くないというより喧嘩友だちなんでしょうんね。
ゆめも私にたいしてそーゆーとこありますから。
そういう猫のほうが面白いですよね。  
2010/11/21(日) 午前 11:24  ひろ
 
アイコン0  
   
ひろさん
 「まめてつ」は私の事を甘えてご飯をもらう対象とみているみたいですが、「はな」は遊ぶ相手とみているのでしょうね。
確かに「はな」と遊ぶのは楽しいです。  
2010/11/21(日) 午後 8:46  NEKOTETU