<ж46ж そうかそうだったのか                            野越え川越え>

トンネル窯 補足

 投稿日時 2015/4/26(日) 午前 6:13  書庫 焼物雑記  カテゴリー その他芸術、アート
 

ナイス0


 トンネル窯とはその名の通りトンネル状になった長い窯で、通常の窯が品物を詰めた後に点火して徐々に温度を上げ、焼成後また徐々に温度を下げて品出しになるのに対して、窯の内部は常に一定の温度になっています。
 中央が焼成部でそこだけにバーナーと煙突があり、吸気は窯両端より行われます。よって窯内部の熱分布は中央が高く両端が低くなります。
 この仕組みにより、窯内部を品物を乗せた台車をゆっくり通過させれば徐々に加熱、焼成、徐冷の通常の窯での焼成と同じ状態で焼く事が出来て、台車を次々に挿入するので連続大量焼成が可能になっています。
 台車の挿入は入り口部分の油圧やモーターによる押し込み機により行われ、その入口1台の動きにより窯内部の台車全てが押されて動きます。台車そのものや窯内部には駆動装置はありません。よって窯内部の台車を全て出して空にする事は機械的には出来ないので、何らかの理由で全排出しなければならない時は火を消して冷ましてから中に入って人力で行わなければなりません。(内部で棚組が崩れてしまった時などはラインを動かすと崩壊が他の台車に波及したり窯が傷ついたりしてしまいます)
 通常この窯は24時間火を消すことなく使われますが、工場が休みなどの都合で停める事があります。その時、内部に品物を残したまま火を消すとその品物はだめになってしまうので排出してからの消火になります。この時はダミー台車(空台車では大量の空気が入って内部温度が下がってしまうので使い古しの甲鉢などを積んでおきます)を挿入し押し出します。
 つかもとのトンネル窯ではコロの上を台車が進むようになっていますが、以前は台車に車輪がついたものを使っていたそうで、その痕跡のレールが残っています。

 コメント(0)