劇団四季のストレートプレイ『恋におちたシェイクスピア』を初観劇。

 

https://www.shiki.jp/applause/shakespeare/

 

 

演劇とシェイクスピアへの愛に溢れた演目でした。
重層的な作品なので感想をまとめるのが難しい…とあれこれ考えていたら一週間が経過。
いかん、忘れてしまう滝汗 と焦りながら書いております。
 
(あらすじ)
スランプ中の劇作家ウィリアム・シェイクスピア(ウィル)は、俳優志望の青年トマス・ケントの情熱に心を打たれる。だがケントの正体は、芝居を愛する資産家の令嬢ヴァイオラが男装した姿だった。
ウィルは彼女と出会い恋におち、新作の着想を得るが、ヴァイオラには貴族との政略結婚が決まっている。さらに、女性が舞台に立つことが禁じられている時代、二人の関係と正体が露見したことで、新作の上演そのものが危機に陥ってしまう…。
 
イギリスイギリスイギリスイギリス
 
ヴァイオラは、彼と結ばれる幸せではなく、彼の才能を葬り去らずにすむよう別れの道を選びました。〈劇作家としてのウィル〉のことも敬愛しているヴァイオラは、劇作こそが彼の幸せであると確信していました。
本作はラブストーリーではありますが、観ているうちに、ヴァイオラとは、「演劇ファンや文学ファンの映し鏡」なのではないかと感じるようになりました。
 
つまり、ヴァイオラのウィルに対する愛は、男女の愛である一方で、推しへの愛とも非常に近いものだったのではないかと。
君の幸せを願って止まないよ
生きる喜びを与えてくれた人
という感情だったのでは?思うのです。
 

 

ヴァイオラにとっての推しとは無論、シェイクスピアと演劇です。
自分が推しの障害になってしまうなんて、オタクにとっては許しがたいことです。
推しの幸せを願ってウィルと別れたヴァイオラは、彼の作品の中に生き続けることになります。
とても美しい物語です。
また、ヴァイオラは、ウィルが作る詩や物語の中に永遠を夢見ます。演劇の素晴らしさを信じ、物語が末永くつながれていくことを願う、作り手の思いも感じ取れる作品でした。
 
つづいて、気になった役者さんについての感想です。
 
ウィル/武藤洸次さん、
台本の半分はウィルの台詞なのでは?と思ってしまうくらい出番も台詞も多かったですが、よく通る声で発声も明瞭、セリフの一つひとつがしっかり届いていました。
スランプ中の若干ヘタレたウィルから、ヴァイオラへの恋心を燃やす姿、劇作への覚悟を決めた姿へと変化していくのがお見事でした。
ヴァイオラの部屋に忍び込み、上着を脱いでシャツ一枚の姿になったときの色気がすごかったです。
とても素敵なウィルでした。
 
ところで、この日の公演では、ヘンズロウ/明戸信吾さんの声の調子が悪く、出番の際にはハラハラしながら拝見していました。
ですが、武藤さんのウィルが登場してヘンズロウと絡み始めると、そのハラハラした気分が心の片隅へ追いやられてしまうのです。
 

フェニマン/味方隆司さんがヘンズロウと絡む場面でも、味方さんが台詞を発すると途端に、ハラハラした気分がどこかへ行ってしまう現象が起こりました。

武藤さんと味方さんは、明戸さんの不調をぼかすためにあえて存在感を強く出していたのか、はたまたそんなつもりは無かったのか、そもそも私の勘違いなのかは謎ですが、役者さん同士が無言のうちに支え合っているように感じられた、不思議で印象的な体験でした。
 

ヴァイオラ/川田菜々子さん、
男装のトマス・ケントがかわいらしかったです。
ヴァイオラが「オタクの映し鏡」であるように感じたのは、ひょっとしたら川田さんだったからかもしれません。
それまではかわいらしいお嬢様だったのに、ウィルと決別する場面では大人の女性になっていたのがジュリエットを彷彿とさせました。
 

ウェセックス/川島創さん、
ユーモラスさがチラチラと垣間見えて、憎みきれない憎まれ役でした。私はすごく好きです。
時代背景からすればウェセックスの感覚はおそらくそれほどおかしくなくて、現代の物差しだと嫌なやつに見えてしまう役柄なのではないでしょうか。
お金のためとはいえ、寝取られた婚約者をちゃんともらってくれるなんてイイヤツじゃん、と思わなくもないです。
ヴァージニアでのたばこ事業はきっと大成功です笑
 

ネッド・アレン/長友 デビッド洋輔さん、
ネッド・アレンはエリザベス朝演劇の同名スター俳優がモデルになっていますが、それも納得のかっこよさでした。
 

バーベッジ /伊藤潤一郎さん、
声がいい。
熊徹とか、男気のある役がはまるなーと思いました。
 
 
ティルニー/ 田邊真也さん、
ティルニーは実在の人物ですが、『十二夜』の登場人物であるマルヴォーリオのキャラクターが投影されているのだと思います。
田邊さんのマルヴォーリオ、見てみたいです。めちゃ合いそうです。
 
 
エリザベス女王 /佐和由梨さん、
存在感と貫禄がありました。
機嫌を損ねると即刻首をはねられそうな、よく知られているイメージそのままの女王様でした。
 
 
アンサンブル/荒木勝さん、
役名は失念してしまいましたが、劇中劇の『ロミオとジュリエット』では序詞役を務められていました。
吃音を乗り越えてすらすらと口上を述べるシーンにはジーンときました。
 
 
役者さんの感想は以上です。
正直、みなさん素晴らしかったんですけど、記憶力と言語化が追いつきません。
 
 
 

 
 

 
観劇前にいくつかシェイクスピア作品を読んでいましたが、小ネタは拾い切れていない気がします。
『ロミオとジュリエット』は読んでおいてよかったです。
 

 

おわり。

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恋におちたシェイクスピア 2026.1.11(日) 昼 13:00開演

自由劇場

1階上手ブロック8列

 

 

キャスト(敬称略)

ウィリアム・シェイクスピア(ウィル)  武藤 洸次

ヴァイオラ・ド・レセップス  川田 菜々子

クリストファー・マーロウ(キット)  渡辺 吾郎

バーベッジ  伊藤 潤一郎

ウェセックス  川島 創

ヘンズロウ  明戸 信吾

フェニマン  味方 隆司

エリザベス女王  佐和 由梨

ティルニー  田邊 真也

乳母  小島 由夏

ネッド・アレン  長友 デビッド洋輔

ウェブスター  羽賀 悠仁

 

【男性アンサンブル】

小出 敏英

中村 伝

荒木 勝

白石 直央

石川 敦貴

松下 真

松永 涼吾

田邊 祐真

 

【女性アンサンブル】

石田 真子

稲葉 愛夢