高校を出て最初に就職した会社の2年目

女性の先輩が結核にかかってしまい

長期で休んでしまった

急遽代わりに経理の仕事をやることになった

展示場の案内と雑用程度しかやっていなかった私に

いきなり大きなプレッシャーがかかった

 

その時

取引していた信用金庫の担当のおじさんが

「わからないことは何でも聞いて、力になるから大丈夫だよ」

って言ってくれてとても心強かった

初歩的なことから些細なことまで

恥とも思わず聞けたのは幸いだったと思う

 

その後何度か転職し

転職先で夫と知り合って結婚のため退職

10年後

夫が会社の社長になったのをきっかけに

経理の職に就くことになった

まさかここで経理の職に就くとは思ってもいなかったし

以前、少しでも経験していてよかったと思ったのだけど

驚いたことに

前に私を励ましてくれた信用金庫のおじさんは

今度の会社の取引先信用金庫の支店長になっていた

 

私のことは覚えていないだろうと思い

声もかけないまま

支店長は定年を迎えた

特に支店長との接触もなかったので

ご縁があるなぁくらいにしか思わなかったけど

 

昨年、3度目に会ったときには

「この人は神様が遣わしてくれた人」

と確信した

 

ここ数年来の会社の経営不振で

会社は信用保証協会を通して多額の借金をしている

状況調査とアドバイスのために

信用協会から一人の人がやってきた

それが、あの人だった

 

年を取って様子も変わってしまったので

すぐには気づかなかったけれど

間違いなく、あの人だった

 

そうとわかった途端

不覚にも泣き出してしまった

 

大きなプレッシャーで不安な時に

私の前に現れる

それはあたかも

「心配しなくても大丈夫だよ」

と神様がくれるメッセージのようで。。。

 

その人は私のことは覚えていなかったけど

「昔、本当にお世話になったので、つい、懐かしくて」

と泣いた訳をごまかしながら

何度も頭を下げた

 

ありがたかった

本当にありがたかった

べつに

その人が今すぐ会社を助けてくれるわけでも

何でもなかったけど

 

神様の采配が心底ありがたかった

 

本当は

ずっと守られてきたんだな

ずっと愛されてきたんだな

 

だから大丈夫なんだな

 

忘れがちな想いだけど

思い出すたび書いていこうと思う