猫のパパ 「隣のホームとか見てるとたまにまじ可愛い子とかいるよね」 | 猫のパパのブログ

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読むと人生の無駄遣いになる
内容ばかりですが(^_^;)
どうぞごゆっくり♪

何もない平凡な駅。AM7:48分発の電車。僕はこの電車に乗って通勤している。車両は決まって一番前の1号車。この車両に乗る理由は2つある。1つは乗客が少ないので比較的快適に通勤できるから。もう1つの理由は……。



いつも降りる駅の3つ前の駅。今日も反対側のホームに眼をやる。そしていつものように彼女はそこに立っていた。ふと目が合う。いつものように彼女はこちらを見て照れくさそうにほほ笑んだ。



最初に彼女に気付いたのは半年ほど前。いつものように眠い目をこすりながら窓の外を見ていた。今日もまた会社の歯車として長い一日が始まる。うんざりする平日の朝。いつもと同じ車内アナウンス。ああもうすぐ着くなぁと憂鬱な気分で隣のホームを見ているとそこに彼女は立っていた。



下を向いたままため息をつく彼女。きっと僕と同じような境遇にいるのだろうか。そりゃそうだ。仕事なんて次の休日までの消化日数。楽しいことなんてそうそうあるわけがない。「お互いがんばろうね。」心の中でそうつぶやいた。



それから2週間くらいたっただろうか。いつものように1号車に乗り込みまた窓の外を見ていた。そして3つ前の駅の反対側のホーム。女性が立っている。ああ、そう言えば前に見かけた子だ。彼女は今日もため息をついていた。この前と同じだ。ついクスッと笑ってしまったその時彼女と眼が合ってしまった。思わず目を伏せる。電車が動き出しもう一度彼女の方へ目を向けると、彼女も照れくさそうにこちらを見ていた。



次の日も彼女はそこに立っていた。どうやら僕と同じでそこが定位置のようだ。そして眼が合う。昨日の事もあってかついペコっとお辞儀をする僕。彼女も同じようにペコッと頭を下げていた。



それからというもの、彼女との奇妙なひと時が僕の日課となっていた。名前も、歳も、仕事も、僕は彼女の事を何も知らない。でもなぜか気になって彼女を見ている。彼女もおそらく同じ感覚だろう。でもこのひと時だけはお互いを認識し、そして繋がっている。そんな気がしていた。



時には笑顔で、時には手を振ってみたり、時には口パクで「おはよう」と声をかけてみたりもした。彼女もそんな僕を見ては、ニコッと笑い返してくれたり、手を振り返してくれたり、「おはよう」と返事をくれたり。奇妙な関係は少しずつ少しずつ発展していった。そして気がつけば、そんな彼女の事が頭の中から離れない自分に気がついた。





眠いから今日はここまで(;^_^A



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