器の小さい男の話 高校時代編 No6 | 猫のパパのブログ

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読むと人生の無駄遣いになる
内容ばかりですが(^_^;)
どうぞごゆっくり♪

楽しい一日もあっというまに終わり4人で帰りの電車に乗り込んだ。今日は本当にいい一日だった、木村は上機嫌だった。蛯原も永嶋も石川も今日の海での出来事を楽しそうに振り返っていた。またこうしてみんなで遊ぼうね、永嶋の問いかけに一同うなづいた。

「じゃあ、私たちここで降りるね。今日は本当に楽しかったぁ。それじゃあね!」

永嶋と石川は電車を降りた。木村と蛯原は再び今日の事を振り返っていた。そして二人もおのおの地元の駅で下車し、家路に着いた。その日の夜、木村が今日の永嶋の水着姿を想像しながら一人シモの行為に走っていたことは言うまでもない、時折石川の水着姿も想像に加えながら…。

そして夏休みも明け、新学期。

「キム、おはよう!」

永嶋の挨拶に木村は元気よくおはようと返した。海、楽しかったね♪といつものようにとろけた笑顔で永嶋はうれしそうに話した。そんな永嶋に木村は相変わらず心を狂わされていた。それからは4人のメンバーで一緒につるむようになった。蛯原も居心地がいいのか、休み時間の度に教室に遊びに来るようになった。

秋、冬と季節は過ぎ、春を迎えた。そして3年のクラス替え。ついに蛯原も男子クラスを脱し、偶然にも4人同じクラスとなった。

「これで蝦ちゃんもずっと一緒だね!」

永嶋の問いかけに蛯原もうれしそうにうなづく。

ちなみに木村はいまだ永嶋に告白をしていなかった。もちろん木村の恋心は日に日に募るばかりである。しかし基本的に駄目人間な彼には告白する勇気がなかった。もちろん過去にも彼は無謀にもさまざまな女性に告白をしてきた。しかし当然結果は×。それでもめげずに次の恋をするのが彼の数少ない良いところ(?)なのだが、この永嶋との恋に関しては、なまじ上手くいっている(?)せいか、なかなか強引にはいけなかった。

今では仲良しになった石川に相談をしたこともあった。しかし石川も

「ほら、あの子ああいう子でしょ?私も冗談混じりに探ってはみるんだけど全然わかんないんだよねぇ…。」

との事だった。

石川雪は永嶋とは中学時代からの付き合いである。石川は永嶋とはタイプは違えど、やはりかわいい子だった。永嶋がアイドル的なかわいさだとしたら、石川は庶民的なかわいさと言った所だろうか。木村も永嶋が一番に好きなのだが、もし石川ちゃんが俺に告ってきたら付き合ってやってもいいなぁと考えていた。もちろん石川は木村などまったく眼中にないのだが。そんな付き合いの長い石川にも考えが読めないほど天然少女な永嶋であった。

そして木村はついに一大決心をする。今度の夏休みに二人きりであの時の海に行き、そこで告白をするぞ!

つづく