JINのブログ

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映画好きです(ネタバレ注意!)
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12月はやっぱり忙しいですね

予告編が迫力ありそうだったので

仕事帰りに映画館に駆け込んで観ました

こんな飾り付けがお出迎え…

スラムダンク世代よりは、だいぶ年上なので

内容もおぼろげ、全体の流れをざっくり知ってる程度です

強い思い入れはありません

当時、すごい人気だったなぁ

今回はマンガの原作者が、そのまま脚本と監督を務めるという

ある意味理想的とも、チャレンジとも取れる企画

さて、吉と出るか凶と出るか

 

●ネタバレしますので、ご注意ください

沖縄で、兄からバスケットを教わっていた宮城リョータ

父を早くに亡くし、頼りの兄も…

失意の母はなかなか立ち直れないまま、神奈川に引っ越し

リョータもいったんバスケをやめたりもしつつも戻って

今では、湘北高校バスケ部の7番

小柄だけど、すばやい動きで相手をかわす

「斬りこみ隊長」

いよいよ最強の山王工業との試合が近づく

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「こだわりの店主」がいる有名店で

立派な料理を出されたが、すごく美味しかった?と

聞かれたら、う~ん、みたいな

アニメーションは力強くて、背景などもきっちり描かれ

抑えた色調で全体的にとてもキレイでした

 

でもなんだろう、漫画における良いリズムと

アニメにおける良いリズムは

微妙に違うのかな?

漫画はコマ割りでリズムを出すけど、アニメでは

カット割りで進んでいく

そのリズムが、ほんの少しズレているような?

アニメーションはよく動いているのですが、それが何故か

あまり心に引っかかってこないんですね

ずーっと同じくらいの力が入ってて、単調になってる

予告編の方が、切れ味が良かったかも知れません

 

この映画は、スラムダンクの有名なクライマックス

主人公桜木花道の所属する、湘北高校バスケットチームが

全国大会で、日本一の強豪校である山王工業と激突する

準決勝が舞台なのですが

今回、なんと漫画原作では脇役だったチームメイトの

宮城リョータが主人公なのです

つまり同じ試合を別の人物の角度から、観ているのですね

 

リョータの子供時代からの背景がじ~っくり描かれます

脇役に焦点を当てる試みは悪くないとは思うのですが

それをやるならば

映画が終わった時、リョータを好きになっていないと

いけないと思うんです

そこまでの気持ちになれなかったのが、一番残念かな

 

兄への想い、母への想い、兄の替わりになれない自分

確かにわかるのですが、その感情がこちらにまで迫って

こないのは、何故なのか

リョータが泣いていても、どこか遠い、引き込まれない

力を込めてツボを押されているのですが、ちょっと違う

そこじゃない感じがずっとつきまといました

力が空回りしている

リョータの家族史ストーリーと山王戦が分離していて

溶け合って絡んで盛り上がってこない

両方を描こうとして、どちらも中途半端になっていると

思います

 

特に山王戦のクライマックスは

ケガをしながら出場しつづける桜木の捨て身の頑張りと

仲間にパスを回すようになった流川の

二人が引き寄せた勝利

この結果は、原作で既に決まっているので動かせない

そこにリョータがあまり絡めないのが、やっぱり痛いです

 

リョータなりに、この試合のクライマックスから

例えば、桜木の言葉やガッツから

特別な気づきを得るとか

何かがないと、主役としてもドラマとしても弱いですね

 

個人的に印象に残ったのは

相手校の山王の監督が、カッコ良くていかにも有能そう

だったのと

山王のエースの沢北でした

自信たっぷりにあの流川さえも軽々と抜き去って

何度も鮮やかに得点します

 

試合前、神社に参拝した彼は、卒業後に渡米して

プロバスケットリーグに挑戦する事を決めています

「国内でやれる事はやり尽くしたので、今しか出来ない

 経験をください」

その祈りは、最後の全国大会でのまさかの敗戦と言う形で

見事にかなえられてしまいました

負けることは、確かに貴重な体験とはいえ

試合後、泣き崩れる沢北

神様にお願いをする時は、気をつけないといけませんね…

 

スラムダンクの山王戦をアニメ映画化するなら

やはり脇役視点よりも、真正面から扱ったものを

一度見たかったな、というのが正直な感想でした

 

試合場面の迫力、ボールがはづむ音や響き

3点シュートの時フッと静かになったりする感じとか含め

この感じで全部を見たかったなと…

リョータの物語を無理やり挿入した感がぬぐえません

スラムダンクをむしろ知らない人が楽しめるだろうと

思いますが、そうなると一本の独立した映画として

リョータ物語としての完成度と脚本的弱さが気になります

 

例えば絡んでくる三井の扱い、心境の変化が唐突だったり

捨てる場面と残す場面の、取捨選択のさじ加減かな

いろいろが、ちぐはぐなんですよね

むしろリョータ部分を大胆に削って、チームメイト平等に

軽い回想ありで、完全にドキュメンタリータッチでの

試合の再現に注力した方が

斬新だったかもしれません

 

声優の総入れ替え、それを直前まで伏せて

前売りを売ったプロモーションのあり方も炎上している

ようですが

そんなあざとい事をしないで、今回これでやるよ!と

最初から告知して、堂々と勝負した方が

変な禍根を残さなかったのではないかなぁ

 

とにかく試合シーンは一見の価値ありでした

原作派の方も、よく知らない方も機会があったら

観てみて感想聞きたいです

 

↑入場時特典のコースター