猫之眉毛
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なんちゃってノエル・白樺

先日、勉強会のメンバーで、クリスマス会をしたとき、友だちが`なんちゃってノエル’なるものを作った。

それは、市販のロールケーキにクリームを塗りつけ、飾り付けをするというもの。


私もそれを真似て、なんちゃってノエルを作ってみた。

我が家にはココアパウダーも粉砂糖もないので、いっそのこと雪が降り積もったあとの世界を表現することにした。

ツリーを模したコロネは、近所のスーパーで安売りされていたもの。

この中で一番時間をかけたのは、背景。

時間がかかったわりに、合わせてみたら雰囲気がミスマッチになってしまったのが残念。

呪文のような文字は、高校生のころ修学旅行記を作った際の跡。

白銀の世界には、群青やグレーの背景を合わせて、サンタクロースとトナカイを飛ばせたらいいのだけれど、今回は夜も遅くなってしまったし、疲れてきたのであきらめることにした。


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メリークリスマスムード

AMC学会レポート③ なにわホネホネ団!

踊りだしたくなるような素敵なひびきの『なにわホネホネ団』と、名前にまけないくらい素敵なその活動内容を紹介したい。

なにわホネホネ団は、大阪市立自然史博物館を拠点とした市民によるボランティアサークルである。

活動の柱は、冷凍の動物の遺体を、学芸員に代わって処理し、骨格標本や毛皮標本などに「資料化」すること。

団員は6歳の子どもから60代の大人まで現在およそ180人で、月に一度の活動日に自由に参加しともに作業を行う。

学芸員や獣医師、研究者など動物に詳しい団員が、ほかの団員の質問に答え、作業をサポートしあう。

動物を実際に手にとって観察し、自分の手で解剖する作業が、動物の形態を学ぶ格好の機会であることは言うまでもない。

さらに、子どもたちにとっては友人との遊び場になり、獣医学を学ぶ学生には貴重な学習の場であり、デザイン

や絵を学ぶ学生にとっては美術解剖学を学べる場であり、それぞれの立場によって異なる重要性をもつ。


そのため、それぞれの立場で作業を楽しみながら、さまざまな年代・職種の人々と交流できる魅力的な場となっている。


なにわホネホネ団の活躍は、博物館の作業場にとどまらない。

「ホネホネ出前ワークショップ」として、作成した骨格標本を携えて、小学校や児童館、科学館、図書館に出前授業に出かけていく。


今回の学会では、その中でも、小児科病棟で行った出前ワークショップの実践報告があった。

病院に骨を持ち込むというと、一見不謹慎に思われてしまうが、それは骨がドクロ、そして死を連想させるからだろう。

しかし、入院している子どもたちにとって、実際の骨を見ながら動物について学ぶことが、いかに楽しく実り多いことであるのは想像にかたくない。

ワークショップは、こどもたちをあっと驚かせるような会場の飾り付けから、時間割り、おみやげとして残せる工作など、工夫が行き届いている。

子どもたちの喜んでいた様子が小児科の先生によって語られた。


私が大阪に住んでいたら、きっと入団しただろう。

ちなみに入団資格は、タヌキの皮を一人で剥ぎきること(ただし入団後の目標としてもよい)。

いつか私も出前を頼もう。




なにわホネホネ団HP http://www.geocities.jp/naniwahone/




AMC学会レポート② ALS-Dプロジェクト 開かれた在宅独居生活

講演 『生きることを支えるアート』

<ALS-Dプロジェクト> ~甲谷匡賛さん在宅独居生活~

内容紹介

京都。
ヨガや新体道を学び、手技治療院を開いていた甲谷さんがALS旗(注)を発病したのは2002年。


病気が進行し、在宅で介護できる家族をもたなかったため、やがて3年以上にわたる入院生活(制度上3ヶ月おきに転院)を余儀なくされた。

発症前から、彼のもとには、その施術の技や身体観や思想に惹かれ多くのダンサーやアーティストが通っていた。


今回の発表者の志賀玲子さん(舞台芸術プロデューサー)もその一人で、彼らが、「甲谷さん支援と学びの会」を結成し、入院生活の支援活動を始めた。

甲谷さんは、パソコンを用いて絵を描いており、支援の会結成の翌年2006年には、作品展を開催した。

横浜での作品展を機に、一泊旅行を決行。これが入院後、初めての外泊であった。

このような流れのなかで、次第に甲谷さん自身も自分に残されている可能性に気づき、支援者たちと共に在宅独居生活の実現を目指すこととなった。

名づけて「ALS-D プロジェクト」。

京都・西陣の織屋建ての町家を改造し、甲谷さんの生活空間の他に、オープンスペースを併設した(位置情報ここがポイント)。

24時間の介護を必要とする甲谷さんに、独居とはいえプライベートはあってないようなもの。

それならば、いっそのこと、ダンススタジオを併設して、ダンスやALSにかかわる様々な集まりのできるスペースにしようという試みである。

身体活動が封ぜられた人間の生活の場が、地域へ開かれ、人のつながる場を生み出すいう、新しいかたち。

2007年に独居生活が開始し、翌年オープンスペースも完成した。



現在、甲谷さんは運動機能がほぼ全廃となっているが、午後の散歩はどんなときもやめないという。

もはや、パソコンで絵をかくことはおろか、文字も打てない状態であり、現在彼が生み出している作品は、収集し続けている骨董の仏像等を所狭しと飾る彼の生活空間そのものである。

そして、支援を受けながら、動かぬ体をもち分刻みの意識の中で生きている、その生き様そのものがアートであると私は思う。


スペースALS-D http://homepage3.nifty.com/spacealsd/



甲開日記    http://koujyo.cocolog-nifty.com/blog/

*甲開日記のわずかな文章に凝縮された、冴えた観察眼に突き刺されるような恐ろしさを時に覚える。


旗(注)ALS (筋萎縮性側策硬化症) :全身の運動神経が機能しなくなっていく神経の病気。原因不明で治療法もない難病。病気の進行にしたがい、身体の自由がきかなくなり、次第に会話、食事、呼吸、まばたきさえも困難になっていく。一方で、感覚や頭脳は障害されない。

アートミーツケア学会

アートミーツケア学会 (Art Meets Care ; 略して AMC) について、知る人は少ないだろう。

私なりの理解を説明しよう。


「care」 とは 「いのちを大事にすること」 そのものだと私は考えている。

そのため、ありとあらゆる分野すなわち、人文、社会、自然科学、福祉、介護、医療などはすべて「ケア」に関わっている。

そして、よりよい「ケア」(特に医療・福祉・社会)のために、「アート」をいかに生かしていくかを、様々な立場の人間が、枠を越えて共に考え、新たな知と美を探究し、人の生きやすい社会、文化を提案することがこの学会の設立趣旨である。

すなわち、

位置情報アートミーツケア学会とは、ありとあらゆる分野における、アートの力を用いた粋な活動をとりまとめ、みんなでおもしろい社会を創っていこう、という心意気を集結する学会である。


アートミーツケア学会HP: http://popo.or.jp/artmeetscare/

2010年度の総会・大会は、12月11日(土)~12日(日)に仙台市のせんだいメディアテークで行われた。

私はこの大会に、他大学の友人(医学部)とその仲間たち(芸術系)とともに参加してきた。

それは予想を遥かに上回る胸おどる時間であり、うれしい出会いに満ちていた。

私の頭を整理しながら、少しずつ報告をしていきたいと思う。


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ナマコのゆううつ

うろうろ文庫の側面、掲示板のしたに、飾ったもの。

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「憂きことを 海月(くらげ)に語る 海鼠(なまこ)かな 黒柳召波」

海のそこ、いきものたちの憂うつが沈殿している場所にいて、そりゃナマコだって、いやになっちゃうときもあるよね。

しかし、私はナマコが憂いている状況に、口元がゆるむのを禁じえない。

愛すべきナマコよ。


この句は、岩波新書の『折々のうた』から引用したもの。

『折々のうた』は私のお気に入りのひとつで、大岡信さんが、今昔津々浦々のうたを集めて、粋な解説とともに紹介している本である。

日本に生まれてよかったとしみじみと感じる、言葉のおもしろさ、うつくしさに溢れている。

人への手紙や、今回のような場面で、私はしばしば使わせて頂いている。



うろうろ文庫 開設!

今日、病院文庫の第5弾(注*)、『うろうろ文庫』を開設した。


この病棟には、泌尿器科 ( urology 通称・ウロ ) があるからという、至極まっとうな命名だ。


どこかの講座から廃棄に出されていた戸棚を、本棚仕様に改修した。



古いなりにキズも染みもあるけれど、それがまた魅力だというのは、人も含めてこの世のならいでありましょう。


クラスメートたちの支援によって、古本も十分に集まり、立派な文庫になった。


赤い牡丹の咲くもとで、このうろうろ文庫が、本と人、人と人とのささやかな出会いの場となることを願っている。



(注*) 病院文庫計画 : 大学病院の病棟に、病院文庫を設置しようと始めた活動。経緯は、今は省略。地味に活動をつづけ、着々と、古めかしい文庫を増殖させている。



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パントリーに飾る額

とある病棟のパントリーを見に行くと、テーブルの上に、ひとつの額が飾られていた。

青と白の幻想的な抽象画・・ ではなく、もはや原色をとどめぬ生け花とおぼしきジグソーパズル。

私は中身を入れ替えるべく、額ごとそっと小脇にかかえパントリーを離れた。


額を前にして家で悩むこと2時間以上。

ねむの木の子どもたちの絵を使うか、斉藤清の版画を使うか、私のポストカードコレクションを使うか・・

額の雰囲気と大きさを考慮し、私の部屋に飾っていたカレンダーの一枚を使うことにした。

このカレンダーは私の姉がくれたもので、木彫り作家・三沢厚彦氏の作品がプリントされている。

各月ごとに象やキリンなどの動物の彫刻(実物は径2~3m大!)が、不敵茫茫たる態で現われる。

このうち、精悍かつ清涼さを持ち合わせたユニコーンを採用した。


これに、宮沢賢治の詩『小岩井農場』のさいごの部分を書き写した紙を貼り付けることで、日付部分を隠した。


そして完成。



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色あせたジグソーパズルよりは、楽しめるのではないかしら。

2.ねむの木美術館を訪れたこと

(つづき)

そしてついに、ねむの木美術館を訪れた。


まず建築のかわいらしさに胸きゅん。

中に入って、子どもたちの絵のひとつひとつに胸きゅん。


(注:どんな表現を用いても、彼らの絵の魅力には適わないため、敢えて胸きゅんを多用する)


すべての作品に胸きゅんし、何度ため息をついたことだろう。

そして売店コーナーで、ポストカードを大量購入。

感動に胸をみたし、ねむの木村をあとにした。



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さてさて、そしてこの度、あのときのポストカードを素敵に活用するときが来た。

大学病院の8階病棟にあらたに設置予定の『うろうろ文庫』、この本棚の側面に飾ることにしたのだ。

たくさんあるポストカードのうち、2枚しか採用できないことが残念だけれど、きっと多くの人が胸きゅんするはずだ。


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1.ねむの木村を訪れたこと



静岡県の掛川市に、『ねむの木村』というところがある。


障がいをもった子どもたちの家や、学校である『ねむの木学園』、子どもたちの絵を展示した美術館、大きくなった彼らの仕事場や、文学館がひとつに集まっている。

元女優の宮城まり子さんが、子どもたちのためにと一から始めた活動が、今の今までずっと続いて大きくなったものだ。

先にあげた文学館は、作家・吉行淳之介の記念館である。

宮城まり子さんと、吉行淳之介は恋人であった。

過去形なのは、彼は10年以上も前に亡くなっているから。

私は、先に吉行淳之介という作家に興味をもち、そこから宮城まり子さんとねむの木学園の存在を知った。

ねむの木学園の子どもたちは、素敵な絵を描くことで知られている。

それは、宮城まり子さんが、まっ白い壁いっぱいに自由に描かせているからだという。

私はその絵を見たくて、去年の夏、ねむの木村を訪れた。

バスに揺られて行き着いた、静かな山の中。

事前に予約をいれ、学園の中を案内していただいた。

パステルカラーに塗られ絵の描かれた建物や、色とりどりの石が散りばめられた学園の中庭に、子どもたちへの祈りのようなやさしさを感じた。




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(つづく)

念願の実習班 打ち上げ

5年生時の病棟実習を終えて、遅れること8ヶ月、ついに実習班の打ち上げが実現した。

何でもランキングをつけるなら、『仲の良くも悪くもない班』にランクインするであろう我が実習班。

チーム医療がさけばれる今、学生の実習班で団結力を示せずしてどうするか!


せめて最後に一度集うべく仲間たちに招集をかけた。


題して『おうちで手打ち 打ち上げうどん』。



このうきうきする企画に対するみんなの反応の悪さは照れだと解釈した。


皆で囲めるあたたまる鍋、山梨県の郷土料理ほうとうに挑戦した。

気合いで打った麺は、茹でる前に互いにくっつき、白い塊と化した。

仕方がないから、ちぎって入れた。

カボチャが溶けたほうとう鍋は、まるでカレーの様。

さてその出来は・・

人も料理も、見た目より味、味より心!


同時進行でタコ焼きもたくさんできたし、シメの巨大ホットケーキも素敵に焼けたし、良い宴となった。


みんな集まってくれてありがとう!



付記:たこ焼きを焼く際に提供した油が、賞味期限を大幅に過ぎており、私がいかに料理をしないかが物証されてしまった。

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