新青森発東京行きの新幹線の中で、隣の席の娘はPCを広げて仕事をしている。
私はお気に入りのブックカバーのかかった文庫本を読もうと栞が挟んである頁を開く。
…!
「違うっ!」
思わず声に出してしまい隣の娘がこちらを向き
驚いている。
布のブックカバーの中身は東野圭吾の小説のはずだった。でも紙の本はこれしかないのでひとまず事情説明して、おとなしく小説を読み始めた。
しばらく読んでいるとスマホのLINEが「むー」と振動を伝える。
開くと
太宰治の孫ですよ の文字とともに娘と私と先日の衆議院議員選挙で青森1区から当選した津島さんと撮った写真が送られてきた。
ビブリア古書堂の事件手帖は栞子さんと太宰治の小説を巡っていろいろとほんとに事件が起きる物語だった。過去形なのは今は栞子さんの娘の扉子ちゃんのシリーズが始まっており、こちらで取り上げているのは夏目漱石だからだ。
布のブックカバーのため中身を間違えたと思ったけど送信されたLINEを見てこれを読めと言われた気がして読み進める。
東京へは私の妹(福島在住)とも待ち合わせている。本日の目的地は新大久保。次の日は渋谷のLOFT。
本来は妹にうちの娘をガイド役に韓国に行きたいとの願望があったのだが、私はトイレの事情から行きたいとは思わないので、なんとか新大久保で堪えてもらった。パスポートもないしw
昨年までパクボゴムに騒いでいたと思ったいた妹の今の推しは ソンジェ背負って走れの ウソクさん。
アイドルグループではなく俳優さんなので新大久保を歩いていてもあまり見かけない。
けどもインスタントラーメンのCMをしているので、食品店でまず見かけた。そして広告ビジョン。等身大パネルもあった。
それなりにはしゃいでいたwよかった。
この旅行のきっかけは夫の一言だった。
車の運転で怒られた。怒るのは理由があるのだから仕方がない。だけど
「〇〇家の血か?お前の母親にそっくりだ!」
今の自分的に一番ききたくない言葉だった。
そこから夫とは口を聞いていなかった。もちろん毎週の通院の運転も断って本人だけ行ってもらった。
「もうお前の運転の車には乗らない」って言われたら彼を乗せて運転などできない。
そんな生活をしていた時、妹から韓国行こう!とお誘いが来る。パスポートもないし、この時期の海外旅行は現実的ではないので、行って新大久保くらいじゃないか?と提案するとそれでもいいから行こうと誘われ、娘が所用で青森に帰ってくる時で、私も別件で有給休暇申請していたこの時期の旅行とした。
自分の母親とは音信不通だ。妹は交流しているので、母親の様子はきいている。元気ならそれで良い。死んだら連絡してくれと他の兄弟にも言ってある。そんな様子をからかいながら娘にも説明する妹。娘は娘で祖母とはLINEで繋がっていてうまくやってくれている。
自分は母との繋がりを言われるとすごく落ち込むし、明るくなることはないのだが、
娘や妹が祖母、母と繋がっていることにひどく安心している。
勝手な思いだが…
そしてそんな娘と妹に何度もありがとうと伝える今回の旅になった。
新青森駅に迎えに来た夫はなんと改札口まで来ていた。
しょうがない、カチンと来た一言はひとまず忘れてやるw
夫に内緒で計画した、現実逃避の旅行は終わった。
嫌だと思っても繋がっている関係。
しかし線を一つ超える関係は優しく継げるのかもしれない。祖母と孫がどんか会話をしているのかわからないが、やさしく繋がっていてほしい。
娘よありがとうw
