この時は、キムチ牛丼決め打ちで行ったので、パクチーがメニューにあるとは考えもせず・・。
パクチー??え〜?
と、頭が真っ白になってしまったのです!
レシート確認しようとして、財布バラバラバラっ・・・
聞き間違い?
むしろ私が言い間違えた?
これ、パクチーじゃないって言ったら、捨てられちゃう?それは、申し訳ない・・。
とか、プチパニックに陥っていたら、娘が冷静に助けに来てくれました
は、恥ずかしい!
たまたまパクチー丼フェアの時期だったようです。
~8月の読書日記~
夏目漱石関連の本を、色々・・・
「漱石を知っていますか」 (阿刀田高/新潮社)
やや分厚い本。・・・といっても、だいぶ引用の分量が多いのでほとんど、これ引用じゃ?と感じるくらい。なので損したような?得したような?
夏目漱石の小説の、内容をざっくり知りたいという人には好いのかも知れない。
私も、過去に読んだものの、だいぶ忘れているので、あ~、そうだったそうだった、と思い出せました。
六角バランスチャートというのが、ユニークで参考になりました。文章、ストーリー、偏愛度・・など。もちろん、この作者個人の評なのでね。
扱っている作品は、有名どころばかりです。私がまだ読んでない、「行人」「明暗」の章はまだ読んでないです。先に内容知りたくない派
「夏目漱石、読んじゃえば?」 (奥泉光/河出書房新社)
中学生くらいの世代向けに、面白く分かりやすく書かれているので、とても読みやすかったです。
昔の文学って難しいかも?というハードルをとっぱらって、「全部読み通さなくても、面白いと感じた部分をじっくり読んでみる」とか「みんなと同じ感想じゃなくても良い」という、姿勢が好きだ。
特に「それから」の解説は大変面白かった。あのシーンにこんな比喩が含まれていたのか・・・!と、衝撃を受けた。私は、まだまだ全然、漱石の凄さを知らないんだなぁと、悔しいような・・。
今、読んでいる「倫敦塔」の解説もあるなんて、嬉しい
香日ゆらさんの冒頭の漫画も、大変嬉しいです。この方は、凄い漱石ファンで、カッコよく面白く描いてくれるので
もう1回・・・と言わず、何度も漱石作品を読み返したくなるわ〜。
「ヘタな人生論より夏目漱石」 (本田有明/河出書房新社)
この本は、作品ごとの解説、批評というより、現代の私たちの不安とその解決策を切り口に、夏目漱石の人生や作品引用をまとめている感じです。
仕事、健康、愛、生きること、死ぬこと。悩みが尽きないのは、時代が変わろうと一緒ですよね。
漱石自身も、人一倍病気で苦労もすれば、仕事の岐路に悩んだり・・・。同じ人間なのです。でも、作者はそんな悩める漱石の生き方そのものに注目し、辛い境遇をユーモアで乗り切るとか、若い人に道を示すとか、具体的な例と作品引用を織り交ぜて教えてくれています。
特に、学習院での講演では、未来を担う学生たちに、ガツンと衝撃を与えたと思われます。こんな反骨精神丸出しで大丈夫か?あとで怒られるんじゃないか?と心配になるけど、現代言われる「自己実現」という論につながっていくのです。国家の為に・・みたいな時代であったろうに、100年後に通じる思いをぶちまけてしまうなんて、かっこいいな。
頭が良いってどういうことだろう・・?と思う。知識がいっぱいあること?それを上手にアウトプットできること?
漱石の脳は今も、東大医学部に保存されているんですって。前頭葉という部分がかなり発達していた所見があるので、本当に頭が良かったんでしょうね。
ちなみに、この本の中で、漱石が「アイラブユー」を「月がきれいですね」と訳した有名な話も挟まれています。西洋風のウィットも日本独特の粋も解した漱石らしい、逸話ではありませんか〜。
やっぱり頭の良さって、ひけらかさなくても、にじみ出てくるものなのかな。ちょっとでも知ってることがあれば、すぐひけらかしたくなる私は、反省!・・・
「姜尚中と読む夏目漱石」 (姜尚中/岩波ジュニア新書)
はい、出ました。また頭のいい人。姜尚中さん。
何かのテレビでお話になってるのを見て、紳士的でそれこそ、にじみ出てくる知性があって素敵だなぁと思ったんです。
夏目漱石がすごく好きとのことで、読みこんでいらっしゃる上に、ほんのちょっとの細かい部分も、歴史・背景を掘り下げて読んでいるので、凄いとしかいいようがない。
どこを読んでも、理解しやすいですが、特にコラムが面白いです。
「理性や知性だけでなく、それではとうてい割り切れない、「神秘的なもの」、夢や幻想やロマン・・・~・・・などがあるから、漱石の作品はこんなにも人の心を掴む」と書いてありました。
本当にそうなんです。スピリチュアルな感覚・・・とでも言うのか、目に見えない不思議な世界を、時折、作品中に登場させるんです。
「わたしたちの理知や知性の限界を見切った」漱石は、科学も解する人でしたから、一生懸命、不思議を文章化したと思うのです。
夏目漱石関連本を色々読んできて、作品をもっと奥深く知る・・・という目的は達成できました。
しかしそれ以上に、どの作者もそれぞれの角度から研究しているだけに、一筋縄ではいかない・・と、ますます読みたくなるという・・。
難しい小説を自分なりに咀嚼して、解りやすく解説する文章力が、本当に羨ましい。
「リカーシブル」 (米澤穂信/新潮文庫)
中学生になったばかりの女の子ハルカ、の視点で描かれいる、ミステリーチックな小説。
父親が事件を起こして、義理の母、義理の弟と、知らない街に引っ越してきたハルカ。なんとなく肩身が狭く、ずいぶん義母に気を遣いながら、新しい学校でも浮かないように、頑張ってるなぁ‥と、見守ってあげたくなっちゃう
とはいえ、この町じたいの独特な・・・ヨソモノを警戒するような雰囲気と、伝説的な信仰。そしてまだまだ幼い義弟サトルが口にする予言が、実際に起こる・・といった体験の中で、探偵のように謎に迫っていく姿は、中学生とは思えない冷静さだ。
謎解きの展開にドキドキして、ラストまで面白く一気に読めました。
父と義母の離婚が決まって、優しかった義母が、優しい口調のまま「これからは学費もかかるし、お米もただじゃないから・・」と暗にお金を要求してくるのが、リアルに怖かった
「家族シアター」 (辻村深月/講談社文庫)
夏目漱石の「こころ」を読んで以来、色々な小説を読むにつけて、「人の心とは?」というフィルターにいちいち引っかかるようになった
例えばこの、辻村深月さんの「家族シアター」。7篇の家族の物語が収められている。
どの物語も面白くて、夢中で読んでしまう・・・家族同士の心のやり取りがテーマになっているだけに、言葉も態度も痛いほど辛らつだったりするの。
「私みたいな娘は欲しくなかったんでしょ」
「どうせおじいちゃんが思うような子じゃないから、嫌いなんでしょう」
・・・子どもの意外な言葉に大人は絶句する。可愛くて可愛くて大事に思っているのに、なぜ曲解されてしまうのか・・。
「現実と憧れの区別もつかないような人に言われたくない、バァカ」
「(たとえあいつが今死んでも、俺、涙出ない自信ある)」
きょうだいという、近くて憎らしい存在に、激しく心を高ぶらせることある。
でも距離を置こうが、否応なしに相手は存在する。こんなきついことを言ってしまっては、もう関係修復は難しいだろうという状況から、辻村深月さんのやさしい筆は、見事にホッとするエンディングに着地する。
人の心は目には見えない。この人はこんな暗いオタクだから・・・あの子はぼんやりしてるから・・・そんな先入観を軽々と飛び越え、知らないうちにワンステップ高くなっていることに、語り手たちは動揺します。
そして語り手たち自身も、知らないうちに心がワンステップ高くなっているのです。
「タイムカプセルの8年」という話は特に秀逸に感じた。
小学校を卒業する時に8年後→20歳の自分へのタイムカプセルを、担任の爽やか先生に託すのね。
大人になって分かるけど、8年って、意外にあっという間だったりする
その8年間の子どもの成長と、子ども達の知らない大人の奮闘が描かれている。展開にドキドキしながらも、優しい気持ちになれます。
せっかくなので他の話も短く触れておこう。
「妹という祝福」・・地味でオタクなお姉ちゃんとは、同列に並べられたくない!妹のかたくなな心が、不意に動かされる意外な事実とは
「サイリウム」・・こっちは弟も姉も、違う分野でオタク。不安定な姉に、態度とは裏腹に心配の目を向ける弟。自分の気持ちが自分にも分からない、表現が素晴らしい。
「私のディアマンテ」・・高校生の娘を持つ母の視点。このお母さんは、読んでいるこちらもハラハラするほど、ぼんやりフワフワしていて、娘の話にもピントのずれたことしか返せず・・ちょっと共感(笑)
でもラストの方で、読者にも隠されていたあるシーンが明らかになり、快感です!
「1992年の秋空」・・学習と科学という学年雑誌ありましたよね?懐かしい。この雑誌が物語の発端となります。
この物語の主人公は小6のお姉ちゃんです。科学、とりわけ宇宙に深い関心のある小4の妹が、どこか超然としていて羨ましいような複雑な気持ちを抱えている。ある日、妹が大けがをしてしまい、夢を絶たれるかも知れないことに責任を感じた自分は・・・。
「孫と誕生会」・・おじいちゃんの視点。現代っ子な孫娘に関わる、今の時代特有の「空気を読む」という気風に違和感を感じずにはいられない。・・かと言って、このお爺ちゃんは非常に人望もあり、空気を読むなんて意識しなくても人気者なのである。だから、孫娘との意思疎通ができず板挟み・・・。
「タマシイムマシンの永遠」・・まさかドラえもんの道具がモチーフになるとは・・。タイムマシンとタマシイムマシンがちょっと違うことを念頭に置いて・・・。短いお話なのに、長い時代の循環が詰め込まれています。「俺は大事にされ、愛され、祈られ、祝福されながら、この家の中心にいた」という気づきは、感動的でした。
「うちのご近所さん」 (群ようこ/角川文庫)
群ようこさんの本読むと落ち着くわ〜
タイトル通り、主人公の家とご近所さんの悲喜こもごもを、ユーモアたっぷりに描いた、短編連作。
ああ、いそう、いそう、こんなご近所さん!って、思います。
トラブルメーカーで、めちゃめちゃ近所から嫌われてるおじさん・・とか、私生活が見えない謎の白塗りオバさんとか、仏様のように完璧で誰からも慕われる老夫婦とか・・・。
そして、日常の中にささいな事件が起こって、やがて落ち着いて・・・結局、その真相は分からずじまい。噂・・噂・・。ご近所同士なんて、まあそんなものでしょう。マンション暮らしだと、あまり感じられない感覚だなぁと、少し懐かしくすら思いました。
さくさくと読みやすいし、一遍一遍が短いので、気軽に読めます。でも、「ご近所」という非常に狭い世界は、半分以上、自分の妄想でできているのかもしれない。深い所突いてるかも・・って思いました。
考えてみれば、自分自身だって、時と場合によって見せてる姿にギャップがあるものね。自分がご近所で、どう見られてるかは・・・あまり考えないようにしよ(笑)
長くなってしまった。
今日は、本屋さんに行ってきました。ほとんど毎日というぐら本屋さんに行くけど、やはり土日は子連れの方が多くにぎやかですね。
欲しい本はいっぱいあるけど、キリがないので、今日は買わない。
電子書籍で読めば、スペースとらずにすむけど、やっぱり紙で読みたい・・。「BANANA FISH」面白いんだよねえ。また大人買いしてしまいたい・・・。でも、ダメダメ。本が多すぎて、床抜けちゃう
読んでくださってありがとうございます
「ベニスに死す」という映画の美少年を描いてみた
人物デッサンはイマイチですが、紅茶で紙を染めてるので、偶然のにじみが面白かったりする。絵はインスタントコーヒーで描いてます。いい香りがします