「えー。
ダメだよー。
一のドーテーは、私が貰うんだからー!!」
清空が、俺を抱き寄せる。
「一君は、どちらがいいのかしら?
経験豊富なエッチなお姉さんがいい?
それとも未経験な処女がいい?」
物凄くマニアックな質問だな……
さて、こんな質問どうやって切り抜けようか。
俺は、再び恋次君の方を見た。
「一はいいなぁー。
学校で1・2を争うの美少女からモテて」
恋次君の目が、棒読みでそういう。
言葉とは裏腹にその目は、とっても嬉しそうだ。
ダメだ。
恋次君は、やっぱり根に持っている。
俺のせいじゃないよー?
「ねぇ、どっちがいいの?」
清空の目も真剣だ。
「両方好きです」
正直に答えた。
処女モノのエッチなモノもエッチなお姉さんモノのモノも持っている。
「ふーん。
じゃ、今度、どっちのエッチなモノが多いか、一の部屋を調べよう!」
清空が、とんでもないことを言い出す。
「いいわね。
それ……」
遥ちゃんも頷く。
「一は、美少女2人も部屋に連れ込めて幸せだなー」
「恋次君、助けてくれないんだ?」
「ラブレターの返事を書くのを手伝ってくれるのなら助けてやってもいいぞ?」
う……
ならば、こっちにも考えがあるぞ?
「じゃ、恋次君の部屋も調べようよ。
俺なんかより、ずっと楽しいものが見つかる可能性もあるよ?」
「あー!
気になるかもー。
一は、オタクっぽいけど、恋次君のってどんなのか気になる」
清空が食いつく。
「そうね……
このむっつり君の本性を暴くのも楽しいかもしれないわね……」
遥ちゃんも食いつく。
よし、あと一押しだ……
「ほかの女子も気になるみたいだしね」
俺は、そう言って周りを見る。
周りの女子は、聞き耳を立てるかのように静かにしている。
ふ……
恋次君、俺の勝ちだよ。
「ない」
恋次君は、胸を張って言う。
「え?」
「だから、そんなモノはない」
「うっそだー。
AVのひとつやふたつ持ってるでしょ?
高校男子の必須アイテムだよ?」
「持ってないな……」
恋次は、堂々と言う。
「と言うか……
一は持ってるの?」
「え?」
清空が声をあげると、真剣な眼差しで俺を見る。
「持ってるの?」
遥ちゃんも俺の方を見る。
「あ、当たり前じゃないか……」
「いーけないんだー。
いけないんだー。
18歳未満のお子様が見たらダメなんだよー」
「俺は良いんだよー」
「よくはないわね……」
遥ちゃんが首を横に振る。
「と言うか、持ってない方がおかしいよー」
「そういうモノ?」
遥ちゃんが恋次君に尋ねる。
「少なくても俺は、持ってないな。
と言うか、見る時間がない……」
「まぁ、恋次はボクシングに夢中だものね」
遥ちゃんが、優しい笑みを浮かべる。
「ああ……」
恋次君が、小さく笑う。
「じゃ、一の家でAV没収ね」
清空が、そう言って俺の体を抱きしめる。
「な、なんでそうなるの?」
「一が、どんなAVに興味があるから」
「えぇー」
女子たちは、もう耳を傾けていない。
まぁ、女子にしてみれば俺の好きなタイプがどうとかどうでもいいよね。
こうして、俺の家に遥ちゃんと清空が来ることになった。
久しぶりに鬱だぞ。
女の子にAVを見せるために家に招き入れるとか……
結構、鬱だよ……
そして、嫌な放課後はすぐにやって来た。