スローライフ~第六章:自由と2年B組 09 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

 自由は、海夜さんにべったりだ。
「海夜ねーちゃん、関西弁もっと教えてー」
「かまへんよー」
 そして、翔太くんは百道くんにべったり。
「百道にーちゃん。
 どうやったらケンカが強くなれる?」
「毎日トレーニングすることだな」
 翔太くんは、首を傾げている。
「トレーニングってなに?」
「訓練のことだ」
 滋くんがかわりに答える。
「くんれん?」
 翔太くんには、まだ訓練の意味はわからないようだった。
「特訓だな!特訓!」
 百道くんがそう言うと翔太くんがニッコリと笑う。
「あ、仮面ライターがね。
 秘密の特訓をして強くなったんだよー」
「ああ、そうだ。
 そうだぞ!ヒーローも特訓で強くなるんだ。
 ヒーローの中の人もそれで強くなっている」
 滋くんが、そう言ってうなずく。
 ってか、あれ?中の人?今、滋くんが中の人とか言った?
「まて、滋。
 仮面ライターの中に人はいないぞ?」
 百道くんが、フォローをする。
 だけど、そういうことに疎そうな滋くんは引かない。
「何を言っているんだ?
 百道。あの中には――」
 滋くんがそこまで言いかけたとき翔太くんがニッコリ笑う。
「百道にいちゃん、知らないのー?
 仮面ライターの中には、村下春樹っていう作家が入っているんだよー」
「え?」
 翔太くんの言葉に百道くんが目を丸くさせる。
「村下春樹が、変身帽子を被って変身すると仮面ライターになるんだよー」
「そ、そういうことか」
 百道くんは、安堵のため息をつく。
「村下春樹……
 そんなに強いのか?」
 滋くんの目が少し輝く。
「うん!
 悪の組織ショックの怪人を倒すんだよー」
「……それは、強いなぁー」
 百道くんが、出来る限りのフォローをする。
 翔太くんの夢を壊さないように……