スローライフ~第五章:自由のために 03 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

「ちゃらちゃちゃちゃー
 ちゃらちゃちゃちゃー
 ちゃらららんららー」
 自由が、聞き覚えのあるBGMを鼻歌で歌う。
「自由。
 ウチは、キューピーじゃなく味の素派だからね」
 僕が、そう言うと自由が驚きそしてショックを受ける。
「えー!
 自由、キューピーが良い!
 パンダさんがいいのー」
「アジパンダは、味の素だよ」
「じゃー
 合体しましょー
 そうしましょー」
 自由は、そう言ってキューピーのデミグラスソースの中に味の素を入れる。
「自由なにしているの?」
「かくしあじー」
 自由がそう言ってケタケタ笑う。
「隠し味になってないじゃん?」
「バレにゃきゃ隠し味だよー」
 そうだけどそうじゃない。
 僕は、そっとそのデミグラスソースを指ですくい舐めてみた。
 意外と美味しかった。
 今度、自由に内緒で味の素レシピに投書してみようかな。
 確実に色んな人から怒られるな。
 僕は、静かに笑う。
「パパ楽しい?」
「え?」
「なんか楽しそう!
 自由も楽しいよー」
「そっか。
 なら、よかった」
 僕の心が少し暖かくなる。
「自由も幸せー
 パパも幸せー
 ママは幸せなのかなー?」
 自由が、寂しそうな表情をする。
「さぁ、どうだろうね」
 空……
 今、どこでなにをしているの?