さて、僕は学校にでも行こうかな……
僕は、そう思うとゆっくりと学校に向かった。
学校に着くと軽音部の部室に向かった。
ベースの音が廊下まで響いている。
蜜柑ちゃん来ているのか……
僕は、部室のドアを開ける。
「あ、一君……」
葉月先輩が目を丸くさせ驚く。
「大丈夫なのですか?」
蜜柑ちゃんも驚いている。
「うん……
家に閉じこもっていても仕方がないしね。
ギターも持って来たし……
一曲弾きませんか?」
僕が、そう言うと2人は、快く受け入れてくれた。
「何弾く?」
葉月先輩が、そう言うと蜜柑ちゃんが答える。
「ひこうき雲とかどうでしょう?」
「荒井由実さんの?」
僕の問いに蜜柑ちゃんが、元気よく頷いた。
「よし!
じゃ、やろう!
私は、キーボードをやりながら歌う♪」
葉月先輩の合図と共に僕たちは曲を弾き始めた。
「白い坂道が空まで続いていた――」
葉月先輩が、綺麗な声で歌う。
僕にはとても真似できない歌……
そして、その曲は一瞬で終わった。
すると拍手が聞こえる。
僕たちは、ゆっくりと拍手を送ってくれた人の方を見ると宮崎さんが、立っていた。
僕の方を睨んでいた。
「宮崎さん?」
「斎藤君、ギター上手じゃない……」
「うん、唯一の取り柄だよ」
「唯一?貴方、勉強も出来るじゃない。
それは、取り柄じゃないとでもいうの?」
「勉強は、やれば誰にでもできるよ」
宮崎さんが僕を睨む。
「えー?斎藤先輩、勉強も出来るのですか?」
蜜柑ちゃんが、目を丸くさせて驚く。
「学年で1・2を争っているのわ。
まぁ、1位は、私がほとんどだけどね……」
宮崎さんが胸を張って威張る。
「そうだよ。
だから、僕なんて全然だよ」
宮崎さんが、また僕を睨む。
僕、何かわるいことしたのかな?