ニートライター亜金の事件簿・改~第八章:亜金の就職08 | ニート脱出大作戦β

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~ニートから抜け出す108の方法


「ダメだよ」
亜金が、視線を由香に合わせて言う。
「どうして?
 南お姉ちゃんが殺されたんでしょ?
 私たちも復讐したい」
「俺たちは復讐しにいくんじゃないよ。
 悪いヤツを捕まえに行くんだ」
亜金は、そう言って由香の頭を撫でる。
「でも……
 私たちは、殺したいほどその人を憎んでいるの」
「だったらダメだよ。
 俺たちは、正義の味方になりたいんだ。
 正義の味方は誰かを護っても殺めてはいけないんだ」
「……納得できない」
由香は、しっかりとした目で亜金の方を見る。
すると小さな女の子がもうひとり現われる。
理香だ。
「亜金さん、来ちゃった」
理香が、険しい表情で亜金の方を見る。
「え?来ちゃったって理香ちゃんもいつでもここに来ていいんだよ?」
亜金が、そう言うと理香が首を横に振る。
「そうじゃなく橘が来たよ」
「え?」
亜金たちは、辺りを見渡す。
するとひとつ多い影を見つける。
チネッテが、その影を見つけるとそこに銃を放つ。
影から男が、男が出て来た。
「女……
 よくわかったな」
「私の目はごまかせない!」
「いい目を持っているんだな?
 その魂、俺が食ってやろう!
 たっぷり犯した後にな!」
橘が、そう言って影を操る。
そして、その影を伸ばしチネッテの影に重ねようとする。
「チネッテさん!
 その影に影を触れさせないように逃げて!」
チネッテは、うなずくと大きく後退してその影から離れた。
「影遊びと行こうか?」
橘が笑う。
「悪いが、遊びは終わりだ」
そう言って、男がふたり現われる。
男たちの胸には、FBIの文字が書かれていた。
「誰だ?
 お前らは?」
橘が不機嫌そうに男たちを睨む。
「俺の名前か?
 俺は、ジロー・ラモ」
「俺は、カミーユ・フランキー。
 俺たちはFBIの捜査員だ」
「はぁ?FBIだと?
 興味ないな!引っ込んでろ!」
「お前がこちらに興味無くてもこちらはお前を捕まえる。
 これが俺たちの仕事だ」
ジローが、そう言ってタバコを咥え火をつける。
「私もいるアル」
そう言って現れたのは、メイリンだった。
「メイリンさん?
 ってことはまさか……」
亜金は、思わず声を出す。
「よう、馬鹿兄貴。
 俺もいるぞ」
亜銀と千春がそう言って現れる。
「亜金、久しぶりー」
千春が手を振る。
「俺、ひとりに大人数だな?」
橘は、驚きもせず余裕の笑みを浮かべる。
「その余裕いつまで持つかな?」
亜銀が、橘を睨む。
「ずっとだ。
 俺は負けねぇ
橘は、そう言って姿を消す。
そして、そのすぐ後に姿を現しメイリンの背後に立つ。
メイリンは、橘に肘鉄を浴びせようとしたがそれよりも早く橘は姿を消した。
「はははは!
 流石はICPOのリン・メイリン!
 勘がいいな!」
橘は、そう言って別の場所に移動する。
亜銀は、その声がする方に素早く銃を放つすると橘の前にひとりの少女が現われる。
「んー。
 これも、か・い・か・ん」
少女は、頬を赤らめて笑う。
「ユキ!
 何をしに来た?」
橘は、ユキと呼ばれる少女を睨む。
「遊びに来たのよ。
 私だけじゃないわよ?」
ユキがそう言うと前に出て来たクララと月六。
そして、20代半ばくらいの男もいた。
「大樹。
 お前もか?」
「ああ、今はお前を失う訳にはいかないからな」
大樹と呼ばれる男が、そう言って笑う。
「失うだと?
 俺がこの雑魚たちに負けると思うのか?」
「流石にこの人数では分が悪いでしょう?」
月六がそう言ってため息をつく。
「で、この状況どうするつもりだ?」
亜銀が、そう言うとクララが笑う。
「帰らせてもらうわ。
 今の貴方たちには興味がないもの」
「帰る?
 帰らせないぞ!」
亜銀が怒鳴る。
「あら、貴方……
 わかってないのね。
 私のこと知らないのね。
 寂しいわー。悲しいわー。
 でも、クララが教えてあげる。
 貴方が醜いアヒルならば私は美しい白鳥よ」
クララが、小さく笑う。
「意味がわからん」
亜銀は、そう言ってクララに銃を向け放つ。
しかし、クララに向けて放った銃弾はクララに当たることなく爆発した。