この子13~第十章:不幸を喰らう15 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法



「あれ?
 玉藻、いたの……?」


亜金が首を傾げる。


「そう言えば、いつの間にかいなくなってたよね」


十五が、小さく呟く。


「なかなかクレイジーなことをしてくれるじゃない?」


クレイジー・クレイジーが、小さく笑う。
そして再び歌いだす。


「だから雑音はやめて!」


亜金は、そう言って耳を塞ぐ。


「ルルルルル―」


亜金は、ふと思いついた。
この声も自分に触れようとしているのではないのか?と
亜金は、早速試してみることにした。


「雑音よ炎となれ!」


亜金が、そう言うとクレイジー・クレイジーの顔が炎に包まれる。
クレイジー・クレイジーが、気合で炎を消し亜金を睨む。


「……」


クレイジー・クレイジーは、喉を焼かれたからか声を出すことが出来ない。


「クレイジー・クレイジー!
 ここは、一旦逃げますわよ?」

「……」


クレイジー・クレイジーは、亜金を睨んだ後、バビロンの背後に立ち姿を消した。


「魔道を使って逃げた様ね……」


いずみが、そう呟く。


「アンタ、ベルゼブブの仲間じゃないのか?」


無が、いずみを睨む。


「いずみさんは、仲間を人質に取られていたんだ。
 その人質を解放したら、味方になってくれたんだー」


亜金が、そう言うと後藤がため息をつく。


「信じていいんだな?」


無が、真剣な眼差しでいずみを見る。


「はい……
 亜金さんには部下を助けて頂いた恩がありますから……
 そして、部下を人質にとったベルゼブブへの憎しみもあります」

「わかった……
 信じるぞ」


いずみの言葉に無も後藤も頷いた。


「さぁ、早く十三君たちの所へ行こう!
 モトフミを倒すんだ!」

「んじゃ!
 行くわよ!」


タナトスが、そう言うとレテも頷いた。