「あれ?
玉藻、いたの……?」
亜金が首を傾げる。
「そう言えば、いつの間にかいなくなってたよね」
十五が、小さく呟く。
「なかなかクレイジーなことをしてくれるじゃない?」
クレイジー・クレイジーが、小さく笑う。
そして再び歌いだす。
「だから雑音はやめて!」
亜金は、そう言って耳を塞ぐ。
「ルルルルル―」
亜金は、ふと思いついた。
この声も自分に触れようとしているのではないのか?と
亜金は、早速試してみることにした。
「雑音よ炎となれ!」
亜金が、そう言うとクレイジー・クレイジーの顔が炎に包まれる。
クレイジー・クレイジーが、気合で炎を消し亜金を睨む。
「……」
クレイジー・クレイジーは、喉を焼かれたからか声を出すことが出来ない。
「クレイジー・クレイジー!
ここは、一旦逃げますわよ?」
「……」
クレイジー・クレイジーは、亜金を睨んだ後、バビロンの背後に立ち姿を消した。
「魔道を使って逃げた様ね……」
いずみが、そう呟く。
「アンタ、ベルゼブブの仲間じゃないのか?」
無が、いずみを睨む。
「いずみさんは、仲間を人質に取られていたんだ。
その人質を解放したら、味方になってくれたんだー」
亜金が、そう言うと後藤がため息をつく。
「信じていいんだな?」
無が、真剣な眼差しでいずみを見る。
「はい……
亜金さんには部下を助けて頂いた恩がありますから……
そして、部下を人質にとったベルゼブブへの憎しみもあります」
「わかった……
信じるぞ」
いずみの言葉に無も後藤も頷いた。
「さぁ、早く十三君たちの所へ行こう!
モトフミを倒すんだ!」
「んじゃ!
行くわよ!」
タナトスが、そう言うとレテも頷いた。