「ああん?」
式髪が亜金を睨む。
「ほら……
雨が降って来たよ」
亜金が、ゆっくりと静かに言った。
「それがどうした?」
「アロー……レイン……」
亜金が、そう言うと式髪の周りにいたモンスターたちが次々と消えていく。
雨が、鉄の矢に変わった。
降り注ぐ鉄の矢は、モンスターを消していく。
「な、何をした……?」
式髪が、目を丸くさせて驚く。
「さぁ?
何をしたと思う?」
「答えろ!
何をした!」
式髪が、そう言ってモンスターを再び召喚した。
しかし、召喚された直後にモンスターは消滅していく。
「無駄だよ。
この鉄の矢の雨は、無限にモンスターを傷つける。
さぁ、はじめよう。
終劇の始まりだよ」
亜金が、そう言ってアローレインの雨の幅を広げた。
少しずつ少しずつ少しずつ、その雨は式髪に近づく。
「や、やめろ……!」
亜金は、何も答えない。
「やめろーーーーー」
式髪は、亜金に背を向けて逃げるが、迫る雨の方が早かった。
式髪は、アローレインによりダメージを受けそして戦闘不能になる。
「終劇の終わり……
いずみさん、出て来ても大丈夫ですよ」
「あなた……
こんなに強かったの?」
いずみが、驚く。
「俺に触れようとするモノ全てを武器に変える。
それは、自然さえも操れるんだね……」
「……その言い方、思い付きで出した技なの?」
「うん」
「恐ろしい子ね……」
「糞が!糞が!糞が!」
式髪が、亜金を睨みながら呟く。
「まだ、死んでいない?」
いずみが、鎌を構える。
「殺さなくていいよ。
放っておいても逃げれないから……」
「どういう事?」
いずみが、亜金に尋ねる。
「だって、俺が降らせたのは特殊な鉄の雨……
服に付着した雨は、かなり重いはずだから」
「そう……」
いずみは、鎌を収めた。
「今度は、無君と後藤君を助けに行こう」
「わかったわ」
いずみは、頷いた。