この子13~第九章:闇を喰らう21 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法


「哀……
 それは、どういうことじゃ?」


道長が、そう言って哀を睨む。


「人質は、もう解放したわ」


遥が、そう言うと道長が笑う。


「そう言うことか……
 やれやれ、哀よ。
 主は、もう少し賢い女だと思っていたぞ?」

「私はもう貴方に縛られない」


哀は、そう言って結界を自分の周りに貼る。
道長は、拳を構える。
その時、道長は十五の存在を忘れていた。
十五は、静かに亜金に近づいた。
そして亜金に十五が話しかける。


「亜金君、こっち……」

「うん?」

「一緒に戦おう」


十五が、そう言ってバタフライナイフをポケットから
取り出す。


「十五君……?」


亜金が、目を丸くさせる。


「僕は戦うよ。
 友達を護るためなら、誰とだって戦える」

「友達?」

「うん。
 僕たち友達だろう?」


十五が照れ笑いを浮かべる。
亜金も照れ笑いを浮かべる。


「その刃……
 ワシに向けているのか?
 小僧よ!」


道長が、十五を背に向けて言葉を放つ。


「僕は、亜金君を護る!」

「ほう……
 お主……」


道長が、そこまで言うとニヤリと笑うと一瞬で十五と亜金の背後に立つ。
そして、十五の首に一撃浴びせる。
十五は、意識を失いその場に倒れる。
次に亜金の腹部に道長が足で一撃を浴びせる。
亜金も意識を失う。
道長に一瞬の隙が出来る。
後藤が、その隙をサン・テグジュペリで道長に一撃を浴びせる。
しかし、道長が指一本でそれを受け止める。


「遅いな……」


道長が、サン・テグジュペリを掴み引き寄せると後藤の顔を殴った。
後藤も意識を失った。


「赤い盾……!」


哀が、そう言って赤い盾を道長に向けて投げつける。
道長は、その盾を拳で叩き割った。


「ふん!
 この程度の炎でワシが燃やせると思ったか!」


道長は、哀の首に一撃を浴びせられ気絶した。