まおうのえにっき:十四話 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

『3秒。ためらいがなければ人間なら3秒で人を殺せるな・・・』


万桜はボソリと、呟いた。

すると、化物は、ニタリをイヤらしい笑みを浮かべながら


『ご名答、だったら、神ならどうかなぁ???』


と言ったが、化物は万桜に再び腕を切られた。


『さぁな・・・。

 私は魔王の一族なので、解らん・・・』


『クククク・・・。

 じゃ、魔王の感情はどんな味なのかな???』


化物の腕は、すぐにもとの位置に戻り、先ほど斬られた

首も、また元に戻っていた。


『・・・』


万桜は、その化物の分析を始めた。

斬った感触はあった。

だから、素史と名乗る男も気づかなかったのだろう・・・。

しかし、何か違和感があった。

何かがおかしかった・・・。

斬った場所が再生するならわかる。

だけど、元の位置に戻ると言うのは、見た事が無い。

そんな存在は、神にも精霊にも魔王にも魔族にも存在はしない。

万桜が考えていると、化物の体が縦に二つに別れた。

それと同時に、化物は悲鳴をあげた・・・。


『え?』


万桜は後ろを振り返ると、そこにはミカが居た。


『やほー。ミカちゃん。

 サタンに頼まれた境、応援に来でー』


『え?お兄様が??』


しかし、雑談なんて、している暇は無かった。

化物はすぐに修復される・・・。

万桜は警戒態勢に入ったのだが・・・。


化物は、突然燃え上がると灰になった。


『え?どうやったのですか??』


万桜は、ミカに尋ねた。

しかし、ミカは首を横に振った。


『わからへん。

 ウチは風の刃で切っただけや・・・』


『・・・』


万桜は、考えた・・・

この様な燃え方を前に、一度見たことがある・・・。


『人形使い?』


万桜は呟いた・・・


『でも、それは人形使いが死んだ場合・・・

 確かに、万桜ちゃんが戦ってたんは人形かも知れへんけど・・・』


『・・・・ミカさん』


『どうしたん?』


『竹内 素史って言う人知ってますか?』


『誰なんそれ?』


『私がここに来る前、こいつと戦っていた人です。

 私が来ると名前だけなのって、何処かへ行ったのですが・・・』


『そないな名前、聞いたこと無いなぁ・・・』


『そうですか・・・

 【神の中の神の王になる男の名だ】と言っていたので神族の一人

 かと思ったのですが・・・』