12月17日、晴
学校帰りの、商店街はクリスマスツリーに
人形が飾られている…
人々は知っているのだろうか…?
あの人形は、かつて、柊の木には生きた人間が飾られていた
その名残だという事に…
雪崩や野犬、熊に襲われ命を落とした人を見て、
人間は『神は生贄を欲している』と、考えたらしい…
神は勿論、魔王である私もそれは、望んでなどいなかった…
私は笑顔で木に人形を飾る子供を見て、少し怖くなった…
そう私は、魔王。
この世では、【柊 万桜】と名乗っている。
今は、ただの女子高生。
私は、人を受け入れる事が出来るのだろうか…
『人を知り、人を学び、人を極める事を万桜は知らない…』
そう、父上に言われ、人を愛せるようにまで戻ってくるなと言われたのだ。
そして、私は今、ここに居る。
今まで闇の中に居た私が、光の場所に立ち上がっても、
ただ苦しくて、もがく事しか出来ないだけだ…
『いや…放し…だ…けて』
声が聞こえる…
私は、その声の方に走った…。
そして、もう一つ、私がここに来た理由、それは…