2021年1月10日　雪の朝

私が鳥取に越してきてから、2年は続けてドカ雪が降った記憶があります。

岡山南部は基本的に雪が降りませんので、長靴を履かないと歩けないほどの積雪には本当に驚いたものです。

その頃、知人が白い柴犬を飼っているのに影響されて、

相方が急に犬を飼うと言い出し、紹介されたブリーダーさんで、

生まれて間もない白い柴犬を譲っていただきました。

コロコロとシロクマの子供みたいなその子犬を連れて散歩に行くと、

道ゆく人が、きゃ〜可愛い〜〜とか言ってくれるので、

相方は嬉しそうに意気揚々と散歩に行っていましたが、

夜勤の時は私が行かねばならず、

自他共に認める猫派の私は、まず飼うこと自体反対していて、

その理由の一つが散歩だったんですね。

特に冬の朝とか、寒いし🤣

まぁそれでも、別に犬が嫌いなわけじゃない。

動物はなんでも好きだし、あの黒目がちな犬の目というのは、反則ですよね〜

あんな目で見られたら放ってはおけない気持ちになります

さて、元は狩猟犬というだけあって、きなこと名付けられたその柴犬は、

雪が大好きでした。

昔はマタギに連れられて、熊狩にでも行っていたんでしょうかねぇ？

ご先祖の血が騒ぐのか？（笑）

一応血統書が付いていて、本当の名前は「谷の白雪姫号」でした

ある雪の夜、しんしんと静かに降る雪の中に散歩に出かけました。

ふくらはぎくらいまで雪が積もっているので、歩きにくいことこの上ないのですが、

きなこはすっごい勢いで、飛ぶように走っていくんですね。

４本足歩行恐るべし。

その時の静かな夜の情景がずっと脳裏に焼き付いている。

私ときなこの足跡が、真っ白な道の上に続いていく・・・

何かしら幻想的な気持ちになるような夜だったんです。

普通でも、もう滅多に走ったりしない年齢の私が、

雪道をもたもた歩いているわけです。

雪の上を駆け回りたいきなこにすごい力で引っ張られるので、

ついに私は足がもつれて、

真っ白な新雪の上に思い切り頭から倒れ込んでしまいました。

ふわふわの柔らかい雪の上に私の人型

雪まみれになって帰ってきましたが、不思議と寒くなかったなぁ。

雪って積もると暖かいのかなぁ？

その後も何度も冬が来て、一緒に寒い道を歩いたわけですが、

雪の上に、きなこと私の足跡が並んでいる情景が一番印象に残っています。

もう一緒に歩くことはないんだけどね。

動物を飼うと、必ずお別れは来るわけで、そたびにいつも苦い後悔に辛くなる。

もっともっと何かしてあげられたんじゃないかという気がして、

うちに来て幸せだったのかなと。

雪の日の思い出