前回のブログで行政書士試験の基礎知識問題については、

自身の失敗した対策を踏まえ、

 

「ヤマ当てで知識を蓄えるよりも、現場思考型で肢を切るほうが有効なのではないか」

 

という内容を書きました。

 

 

数日後振り返ってみて、当時の自分自身はどのように肢を切っていったのだろうか。

 

56点中52点という得点でしたし、

4回受けた模試(LEC2回・伊藤塾2回)もすべて48点以上でした。

そもそも過去問を解き始めた勉強初期の時点から、

法律資格なのに一番得意なのが基礎知識問題という有様だったので

あながち間違った解法ではなかったのかも。

 

私は一時期ヤマを当てようと手を広げ過ぎて泥沼化した苦い記憶があります。

参考になるかどうかはわかりませんが、

「知識」や「ヤマ」ではなく、「解法」や「思考過程」

を切り口にしている予備校や講師の方はあまりいないような気がするので、

当時を思い起こしながら記録します(但し問58~問60はなし)

 

※正確な知識に基づいたものではなく、

あくまでもその時の現場思考で解いたものであるので、

浅学非才の徒の戯言であることをお断りいたします。

 

問47 いわゆるG7サミット(主要国首脳会議)に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 2023年現在では、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダの7ヵ国のみの首脳が集まる会議であり、EU(欧州連合)首脳は参加していない。 
  2. 議長国の任期は1月から12月の1年間で、事務レベルの準備会合や関係閣僚会合の開催を通じて、サミットの準備および議事進行を行う。 
  3. 2023年の議長国はアメリカであり、日本はこれまで、1979年、1986年、1993年、2000年、2007年、2014年、2021年に議長国を務めた。 
  4. フランスのジスカール・デスタン大統領(当時)の提案により、1975年に第1回サミットが開催されたが、日本が参加したのは1979年からである。 
  5. 開催地は、かつてはスイスのダボスに固定されていたが、現在では、議長国の国内で行っていることが通例である。
解法
1:7か国のみの首脳が集まり、わざわざEU首脳抜きは不自然かつ合理性にも乏しいので✖
 
2:この肢で正否を分けるのは任期の部分だろうけど、任期のことまでは知らない。
とはいえそれ以外は当たり障りのない内容なのでとりあえず△
 
3:23年の議長国がアメリカと報道されたような記憶はないので✖に近い△
 
4:大阪万博(1970年)あたりで日本は世界第2位の経済大国になっているので、
国際的な影響力を考えると75年の第一回には出ているだろうということで✖
 
5:1肢同様に「議長国の国内で行っているのが通例」というのがどうも引っかかる。
G7サミットってもっとラフな印象があるので一応△
 
根拠に乏しいので自信はないが、2と3と5を比較してみて無難そうな2を選択→結果:正解
 
すべての肢について確実な知識はないのですが、
わからないなりに肢を削った結果、正答に結び付いたような感じです。
ほとんどの問題についてこういった曖昧な推論で解いていきました。
 
 

問48 日本のテロ(テロリズム)対策に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。

  1. 日本が締結したテロ防止に関連する条約として最も古いものは、1970年締結の「航空機内で行われた犯罪その他ある種の行為に関する条約」(航空機内の犯罪防止条約)である。 
  2. 2001年9月11日にアメリカで発生した同時多発テロ事件をきっかけとして、通称「テロ対策特別措置法」 *1が制定された。 
  3. 2015年9月、サイバーテロ対策の一環として「サイバーセキュリティ基本法」に基づき、サイバーセキュリティ戦略が閣議決定された。 
  4. 国際組織犯罪防止条約の締結に向けた「組織犯罪処罰法」 *2の2017年の改正として、いわゆるテロ等準備罪が新設された。 
  5. 2022年7月8日に奈良県で発生した安倍晋三・元首相銃撃事件をきっかけとして、内閣府に「テロ対策庁」が設置された。 

(注)
*1 平成13年9月11日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法
*2 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律

 

解法

1:1970年はちょうど「よど号ハイジャック事件」あたりが起きたはず。

テロが世界中に拡散していった時代状況を考えると妥当な条約なんじゃないかな、ということで〇

 

2:これも肢1と同じように時代状況を考えると妥当だし、当時そんな法律をよく耳にしたような気がするので〇

 

3:肢1と肢2と同じく、2015年あたりからサイバーテロに関する議論が活発になったような記憶があるので〇

 

4:これは当時結構議論の的になっていて、リベラル派の論客や弁護士会が批判していた記憶があるので〇

 

5:こんな話があればかなり話題になるはずだが、そんな庁は見たことも聞いたこともない。

1~4肢に比べて妥当性が低そうなので割と自信ありの✖→結果:正解

 
確実な知識ではないけど、なんとなく記憶に残っている、
そういえばあの頃よく耳にしたということを基に推理するのは、
案外有効なのではないかなと思った次第です。
 
 

問49 1960年代以降の東南アジアに関する次のア~オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

ア.1967年に、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの5ヵ国が東南アジア諸国連合(ASEAN)を結成した。 

イ.ベトナムは、1986年からペレストロイカ政策のもとに、共産党一党体制を保ちながらゆるやかな市場開放を進めた。 

ウ.ラオスでは、内戦の終結を受けて、1993年の総選挙で元国王を支援する勢力が勝利して王制が復活した。 

エ.インドネシアでは、1997年のアジア通貨危機で市民の不満が高まり、1998年にスハルト政権が倒れて民政に移管した。 

オ.ミャンマーでは、2021年にクーデターが発生し、軍部が全権を掌握した。 

  1. ア・イ
  2. ア・オ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ
解法
ア:67年に5か国でASEAN結成って参加国少なくない?いやその前に知識がない(大昔習った気はするけど)ので保留△
 
イ:ペレストロイカってソ連じゃないですか。ありえんので自信の✖。

 

ウ:ラオスが王政なんて話は見たことも聞いたこともないし、

 

イメージは社会主義だったような?からの✖
 
エ:当時の通貨危機からのスハルト政権崩壊は記憶にあるので〇
 
オ:最近のことであるし、事の経緯はニュースでも頻繁に流れていたので記憶に新しい。〇
 
ア・エ・オに比べてイとウがはっきりと✖なので3を選択→結果:正解
 
イが鉄板の✖なので2・4・5は安心して削れます。
 
基礎知識の問題に関してはこうして肢を削って、
正答率が少しでも上がるように足掻くことがポイントなのではと思う次第です。