「君の名はの次は、この世界の片隅にがキテる」
という噂を聞いてから、はや数ヶ月。
まだやっててよかったユーロスペース。
結構重い話だということは聞いていたのですが、広島舞台の戦時モノだとはつい知らず…
だんだん展開の悪い方向が見えてきてヒヤヒヤして観てました。
この映画の素敵なところは、
『戦争ってこんなに悲惨なんだよ。そんな"犠牲"の上に成り立ってる現代を大切にしようよ!!』
という押しつけがましさが全くないところ。
悲惨な部分は一部分で、大部分は主人公すずの日常を幼少期から丁寧に描いてある。
だからこそ積み上がっていたものが崩れる悲惨さがあるし、日常に感情移入している分、こちらまで痛々しく感じる。
かといって絶望して終わりでもなく、楽しいことも温かみもある日々が続いていく。
そしてボクらの現代は、そんな"日常"の先にあるのだと、決して"犠牲"一色の上にあるわけではないのだと気付かせてくれる。
ここら辺のアンバイがゼツミョウというか、
登場人物たちに体温を感じるし、同じ人間として共感出来るから、戦争の記録映像の何倍もリアリティのある恐怖を、アニメーションの爆撃の中に感じました。
戦争で帰ってこなくて悲しむ対象の人もいれば、
喜ぶ対象の人もいた。
終戦宣言の時にキョトンとする人もいれば、
怒る人もいた。
アメリカ人の残飯の美味しさに感動し、
自宅の白米の無味に落胆することもあった。
きっと本当にそうだったはずだ。
少なくとも、僕があの時代を生きていたらそうだったはずなのだ。
戦争が本当はどんなものだったのか。人間はその時どう生きていたのか。
その一端を見れた気がしました。
今の日常を一生懸命生きたいと思います。
【映画情報】
私的評価…4.6/5 点
あらすじ
1944年(昭和19年)2月、絵を描くことが得意な少女浦野すずは、広島市江波から呉の北條周作のもとに嫁ぐ。戦況の悪化で配給物資が次第に不足していく中、すずは小姑の黒村径子の小言に耐えつつ、ささやかな暮らしを不器用ながらも懸命に守っていく。しかし軍港の街である呉は1945年(昭和20年)3月19日を境に頻繁に空襲を受けるようになる。
- 原作:こうの史代『この世界の片隅に』(双葉社刊)
- 監督・脚本:片渕須直
- 音楽:コトリンゴ[7]
- 企画:丸山正雄
- 監督補・画面構成:浦谷千恵[11]
- キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
- 美術監督:林孝輔
- 色彩設計:坂本いづみ
- 動画検査:大島明子
- 撮影監督:熊澤祐哉
- 編集:木村佳史子
- 音響効果:柴崎憲治
- 録音調整:小原吉男
- プロデューサー:真木太郎
- 後援:呉市、広島市
- 助成:文化庁文化芸術振興費補助金
- 配給:東京テアトル
- アニメーション制作:MAPPA
- 製作統括:ジェンコ
- 製作:「この世界の片隅に」製作委員会(朝日新聞社、AT-X、Cygames、TBSラジオ、東京カラーフォト・ウィングス、東京テアトル、東北新社、バンダイビジュアル、双葉社、マック、MAPPA、ジェンコ)
