猫木めの勝手な書き散らかしサイトな我が家の4周年記念に、皆さまご存知!まじーんさまの罠へお邪魔な第3弾☆

 

【リク罠115】「ヤンマガ兄妹のテレビ出演(仮)」

 

にドボンと。

(*ΦωΦ)

 

 

決して嫌いな訳ではなく、むしろ好きなのに……猫木のところでは何故かあんまりいないあの兄妹さんたちのお話。

さて、どうなることやら?←毎度ののーぷらん☆

 長らく放置してしまってごめんなさいでした!

待っていてくださる方がいるのやら?謎な続きでまりまする。

 

 

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……が、待てど暮らせど蓮の口から決別を告げるあの駄目息は落とされないまま。
キョーコの泣き過ぎて引くついた喉が無理やりに息を吸い込む音だけが、広いリビングに時折響くだけで。
それどころか、キョーコを膝の上に抱き寄せたままの男は気遣いあやすみたいに優しく背中を撫でたりなどなさるのだ。
そこでキョーコは思い至る。あぁ、この方は……泣かれると困るって仰っていたくらい……いくらうんざりしていようとも、泣いてる子どもを放っておけないひとだから……と、そう。
だから、ぐしっと鼻を鳴らしながら目元を拭うと息を吸い、泣き止もうと努めてみせた。
もう大丈夫です。敦賀さんの極秘ミッションの足を引っ張るようなご迷惑を掛けて申し訳ありませんでした。今までありがとうございました。
最後にせめてそれくらいは告げさせていただいて、そして迅速にこのひとの前から去ろうと、そう決めてキョーコが顔を上げたその時だった。
 
 
 
 
「……どうして、そんなにも『正解』してなきゃいけないって思うの?」
 
 
 
 
持ちまえの雑草根性をフル活用する勢いの必死で固めた決意での別れの言葉の出鼻を挫かれて、ぱしぱしと涙の雫に濡れた睫毛が瞬きを繰り返す。
カインとセツカならばはっきりと分かっている『正解』。セツカなら……ただ、セツカであるただそれだけで、無条件で受け入れ愛してもらえる。けれど、蓮とキョーコになれば途端に分からなくなってしまう『正解』を、それでもキョーコがもがくみたいにひたむきなまでに探し求めたのは、それは何故か?
えーと……そこを掘り下げて追求する必要が貴方にございましょうか?
キョーコにとってみれば、蓮はきっとこんな泣きじゃくる範囲外なお子ちゃまなんてわずわらしいだけな筈で、さっさとこの部屋から出してしまいたい筈なのだ。
なのに……答えるまでは膝から降ろすつもりはないとでもものがたるかのような腕にぎっちりとキョーコの身体を捕らえてしまっているのだ。
更には、駄目押しとばかりにキョーコのツボを的確に射抜くあのわんこみたいな瞳が教えてくれと強請るように至近距離から覗き込む。
どうせなら根掘り葉掘り洗いざらいのいっさいがっさいに白状させてからざっくりな魂胆ですか?そうですか……そういえば、わざわざと『たいへんよくできました』な横に『ダメダメです』なマイナススタンプを押してくださったお方ですもんね?そうか……もう、この恋心を地獄まで秘めて抱えている事さえ許してはもらえないんだ。
じわっと涙の滲む目を隠したくて俯き視界を閉ざしたキョーコには、そんな痛ましいようなキョーコを見つめる男の表情なんてちっとも知らないままで。
どうせなら……いっそのこと未練がましいどろどろとしたこの感情のすべてを、吐き出してざっくりばっさりすっぱりと言葉の刃でもって一刀両断してもらえば楽になれるだろうか?
そうは思いながらも、悪あがきのように今からでもセツカのロングブーツを脱いで脱出出来ないものかと身じろいででみるものの……慰撫するように背中を撫でてくれていた片腕までもが、腰に回ってがっしりと指を組まれてしまう。それはもうまるで、逃す気はないとキョーコに教えるかのように。
追い詰められたキョーコは震える声でぽそりと零したのだった。
蓮にとっては意外な答えを。
「だって……だって、敦賀さん、かわいいからっ……」
銀幕のハリウッドスターと生ける宝石と呼ばれたトップモデルのDNAを受け継いだ彼、幼少期から綺麗だ美しいだと褒めそやされ成長してからのちには美人というよりも男前でかっこいいだなんて言われることが当たり前で圧倒的な男である。
そんな蓮が、しかもかっこいいと思われたくて仕方がない王子様を夢見る恋人からである。
そりゃぁ、もう予想外もいいところで目をまんまるとさせようってものだ。
だが、そんな出し抜けに豆鉄砲を食らった鳩みたいな心境で硬直している蓮など知らぬままに、恋人はこぼし続けるのだ。
やれ、普段の敦賀さんはかっこ良くて完璧紳士でプロ意識バリバリで、それなのにたまにいじめっ子で食欲中枢が壊れてて……と、そんな蓮にとっては褒められてるのか貶されてるのかわからない事を延々と。
ぐしぐしと呟かれる震え声が、隠れ遊び人だなんて事にまで及びそろそろ蓮がキョーコに真意を問う言葉を差し挟む為に紡ごうかと口を開きかけた、その時、愛しい恋人は泣き声に限りなく近しい声を吐き出したのだ。
「それなのに、ふたりの時にはかわいくって。そんな敦賀さんを知ってるのは、今は、私だけなんだって思う前は……それまでは……大丈夫だって、思ってたんです……慣れてるからって。何度も何度も……都合のいい妄想を思い描く度に…………敦賀さんが想うのは私じゃないんだからって……繰り返し、何度だって諦めて来たんだからって……」
両目から溢れ落ちる涙をぐしぐしと手のひらで拭いながら告解するキョーコの声はもう完璧に泣き声だった。
恋人としての『正解』に完璧に答える事で、少しでも……少しでも長く、自分だけのかわいい蓮を独り占めしていたいだなんて願ってしまったのだと。キョーコにとっては醜い身勝手な独占欲の吐露。
きっと蓮に軽蔑された。そう嘆くキョーコの思考とは反対に、それを聞き出した男の胸を渦巻くのは、ただ抑えようのない歓喜。
胸を満たす感情に突き動かされるように、ぎゅぅっと愛しい恋人を強く腕に抱き締める。が、なんで!?何故ここでぎゅー?とそんな蓮の抱擁を、思い掛けない想定外な行動だとばかりに身を竦めているキョーコ。
腕の中の恋人の反応に、どうしてくれようか、この娘は?などと思いながらも、はぁぁぁと肺から息を吐き出した蓮。
そうして、この愛しい恋人へ、改めて知らしめて解らせてやろうと告げたのだった。
当のキョーコが思わず、ぽかんと口を開けてしまうような答えを。
 
 
 
 
「あのね……そもそも『正解』を探そうなんてのが間違い。そんなの、無駄だから。」

 

 

 

 

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泣いちゃうくらい真剣に悩んでくれてたかわいいかわいい恋人へ差し出す答えが、間違いで無駄ってどうよ?な、蓮くん。

(*ΦωΦ)





次回、最終話。……たぶん、おそらく。うん、終わらせるよ?がんばるっ!!

_:(´ཀ`」 ∠):

 

 

↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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