猫木めの勝手な書き散らかしサイトな我が家の4周年記念に、皆さまご存知!まじーんさまの罠へお邪魔な第3弾☆
 
 
にドボンと。
(*ΦωΦ)
 
 
決して嫌いな訳ではなく、むしろ好きなのに……猫木のところでは何故かあんまりいないあの兄妹さんたちのお話。
さて、どうなることやら?←毎度ののーぷらん☆
 
 
 
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だいたい日本人って、外人だからってだけで身構えて無駄で過剰にビビりがちなんだよなぁ……
15歳までを両親の仕事の都合でアメリカで過ごした帰国子女として、型にはまった教科書英語ではなく通じて使える英語力を売りとしていたキャスターは、自分の国籍を棚上げしたようにそう軽く考えていたのだ。
確かに、『トラジックマーカー』のBJの冷酷な殺人鬼っぷりはそれはそれはもう夢に見る程に怖かったさ。でも、なんたってアレは作られた『役』に違いない。と……
学生時代にバスケットを趣味として米国でガタイの良いチームメイトに囲まれて慣れてるし?と、排他的でない積極的な人懐っこさを自覚しての余裕さえ持って。
そう、ちらほらと聞こえてくる自分より先に噂のイギリス系俳優との収録を過ごした業界仲間たちからの恐怖っぷりを聞いて、鼻で笑ってさえいたのだ。
自分ならそこらな右に倣え的ザ・日本人と違ってコミニュケーションが取れると、そう思って。
 
 
 
 
実際のところはどうだ?
 
 
 
 
いやいやいや、ほんっと無理!ガチで無理だって!!
と、カイン・ヒールの恐ろしいまでのコミュ障っぷりを甘く見ていたアナウンサーの彼は少し前の自分をぶん殴ってやりたくなったという。
郷に入っては郷に従えとか場の空気を読むとかなつもりは、これっぽっちたりともありはしないのがカイン・ヒールなのだ。
カラフルポップな背景とグレイふんわりソファーなスタジオのセットに、驚く程に似合わずに異端なまでに浮かび上がる黒尽くめの男。
俳優?役者?嘘だろ?なんて出演映画を見たにも関わらずに思わず思ってしまうようなイカれて危うげな目付き。死神や動く死体でも目の前にしたかのように肌でピリピリと、本能的に感じとってしまう危機感と恐怖。
仕事じゃなかったら関わりたくないっ!!誰だってそう思うだろうってもんだ。血の気が引く思いでの、プロの仕事根性でもって身体の震えを押さえつけながらなインタビュー。
なにせ、言葉が通じる通じないの問題じゃない!!
肝の縮む思いで話をふるけれど……カイン・ヒールはそれが日本語だろうが英語だろうが、べったりと一緒にいるド派手な女の子を通してでしか聞く耳を持つつもりもないらしいまでの完璧なまでに目に入ってないと扱われる。
それでも、外国人映画スターへのインタビューなんかではお決まりな『トラジックマーカー』の興行収入の高さと人気っぷりや『BJ』の残忍な殺人鬼の熱演を、大袈裟なまでの持ち上げっぷりでよいしょと褒めそやしてみてもだ……
カタコトでの定型文な「アリガト」どころか「Thank  you」のひと言さえなく、ニヤリとただ薄く笑うのみ。しかも、その笑みは絶賛への感謝というよりもシリアルキラーがあの殺しは良かったと過去の自分の犯行を思い起こして楽しんでいるかのようで、見た者の背筋をぞっと震わるようなもので。
カイン・ヒールの秘められたプライベートや意外性を探ろうと、日本での撮影中に気に入った日本食なんかはないかと聞いてみても、だ……
通訳の女の子から返って来た返答は「お酒とタバコ」なんて面白くも嬉しくもないもので。
極め付けに、だらりとダルそうにソファーに腰掛けたカインの顔には、俺がこんな片手でひねり潰せそうな島国に慣れ合ってやるとでも?とでも言ってそうな表情まで浮かんでいる始末。
番組のマスコットキャラクターのぬいぐるみを、超絶に似合わねぇー!!と解っていながらもプレゼントだと貢いでみても……
カイン・ヒールがそれを撫でる愛でるかわいいと褒めるなんて事をする筈がなく、つまらんとばかりに即座にポイっと通訳の女の子へと投げ渡されてしまう傍若無人っぷり。
真っ向から受け入れられようとも好かれようともしない、好感度?何それ、おいしいの?なまでのやりたい放題。きっと放送の後には、あの役者のふざけた態度は何だ!ってクレームの声も多少は入るに違いない。
けれど……カイン・ヒールのその確かな演技力と型にはまらぬアウトローっぷりは一部に熱狂的な支持を受ける事だろう。
そう思わせる魅力のようなものが、悔しいがカイン達にはあるように思えるのだ。
そんな恐怖の時間も残りあと僅か、撮りの確認を残すのみ。
カイン・ヒールの前からこそりと数歩ほど後ずさるように距離を取ると、スタッフの肩からはほっと力が抜けるようで…………
撮りの最終チェックが終わり、やっとこのおっそろしい男と同空間から解放される、そんな時の事だった。
「汚い目で俺のセツを見るな、ブチ殺すぞ。」
カインの口から発せられた地を這うかのようは低い低い脅しの効いた声と威嚇するみたいなあからさまな殺気。
ざわっとした騒めきが起こったのは、カイン・ヒールが流暢にくっきりはっきりと日本語でもってそう言い放ったからだった。
チッと苛立たしげな舌打ちをして、セツカを腕に隠すように抱き寄せたカインがひとりのADを睨み付けるとスタジオを出てていくのを、誰一人として声も出せないまま身を縮ませて見送るしか出来なかった。
カツンカツンと廊下を叩くふたりの足音が遠去かってしばらくして、やっとのとこで残されたスタジオのスタッフは息を吐き出した。
「お前……何やったんだよ!?おっかねぇー!!」
惨劇の刻印を押されたかのように、未だに凍り付いているADに詰め寄るカメラマン。
「ぃゃ……あの、ほら俺って脚フェチじゃないっすか。よく見たらかわいい顔してるし、あんなむちぷりの脚線美がミニスカにガーターで網タイニーハイなんて美味しそうな状態であったら、ついつい目がいっちゃうじゃないっすか……」
常より、乳より尻より脚派!を自称していたノリ軽めのチャラい系だったらしき若きADは震える声で白状する。まだ真っ青な顔色でガチガチと震えている彼、煩悩が勝ち過ぎたがゆえに、今夜はきっとBJに追い回される悪夢に魘されるのだろう。
「って、いうか……カイン・ヒールって日本語ばっちり話せたんですね。」
「じゃ、あの通訳の女の子の必要性って……」
「…………ただイチャつきたいがだけに?」
「俺、あの子がカインの妹だって聞いたんすけど……」
「え?どう考えたってありゃ、出来てんだろ……」
マジかよ?いやいや、イカれ過ぎてんだろ?な辿り着いてしまったその禁忌的な答えに、スタジオの中はなんとも形容のし難い重ったるく長ーい沈黙で満たされたという。
 
 
 
 
そしてスタジオをそんな絶妙に気まずい空気を作り出した元凶の片割れであるセツカは、そんな事はつゆ知らずのままひとり自販機の前で佇んでいた。
兄と離れ、やっとひと息つけたとでもいうかのようにふぅとため息を吐き出して、憂い顔でぽそりと呟いたのだ。
 
 
 
 
「どうして……頷いちゃったんだろう」
 
 
 
 
どこか硬く苦いみたいな後悔の色を滲ませるかのような、そんな小さな小さな声で。
 
 
 
 
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恋人との共演でプライベートでも芝居でも存分にいちゃいちゃラブラブ♡……って感じではなさそうなキョコさん。はてさて?
(*ΦωΦ)
 
 
出来ればもうちょいと更新のペースをば上げたひとです。(願望)
_:(´ཀ`」 ∠):
 
 
 
次回、どのように彼女は落とされたのかや?←のーぷらんでありますよ。
 
 
 

↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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