唐突ですが……さぁ、僕を見て!!
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いや、ただのアイコンでのネタバレ防止です。
さてはて、今回のリクエスト元は誰ざんしょ?
切りどころがわからなくて、長ーくなってしまいました。ごめんなさい。
_(:3 」∠)_
 
 
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煌々と強く照らされたライトと組み立てられたセットの中へと続く緩やかな階段を、ふたりの男女が歓声を上げるギャラリーへ笑顔を振りまきながら降りて行く。
「ほぁー!さっすが、すごい人気やで。聞こえますか?この大歓声!!」
「ほんまに!耳、いとうなりそうやわ!!」
ぷきゅぅぷきゅぅと、なかなかにユニークな足音を立てるドヤ顔スマイルな鶏のマスコットがステージ中央にあるソファーセットへとゲストをエスコートしてみせていた。
「さーて、それじゃ!今夜のやっぱりきまぐれロックババンと2時間『比良坂峠の猫屋敷』出演のおふたりにみっちりいろいろ聞いちゃうぞスペシャル☆はじまるでー!!」
マルチユニットの3人が関西の軽快なノリでリズミカルにMCを回すのをスタジオ最後尾でひっそりと観覧中なメガネのマネージャーは、自分の担当俳優とその隣に座る女優、そのふたりが揃って番組マスコットな着ぐるみをらしくなくチラチラと気にした素振りをする事を少しだけ不振に思っていたとか。
「はい、改めてまして!本日の豪華スペシャルゲスト!な映画『比良坂峠の猫屋敷』に出演なさっている……」
「友情を失った小説家、薫役の敦賀蓮です。」
「猫屋敷の娘、みやこ役を演じさせていただいた京子です。」
ぺこりと綺麗なお辞儀をしてから勧められてソファーへと腰掛けたふたり。
「ほな、本日はおふたりに今話題沸騰中な映画『比良坂峠の猫屋敷』の見どころから撮影秘話までいろいろ聞き出して行っちゃいましょー!最初は、やっぱり映画の見どころから?」
「そうですね。普通なら、映画の見どころを紹介して是非ご覧くださいって言うべきなんでしょうけど……」
映画のストーリー上の軸となる主演俳優は、その美貌に少しだけ苦笑を浮かべて言葉を濁す。
「ふふふ。壮麗な猫屋敷や音楽、複雑に絡み合う人間模様はもちろん、何と言ってもこの映画……ファンの方も知らないかわいい敦賀さんが見れるところもオススメですね!」
隣の女優は、堪え切れない笑いを零しながら告げた。
そう、この映画、完成された感のある人気俳優「敦賀蓮」のイメージを崩してみせるには充分な内容だったのだ。
 
 
 
 
『失ったものが取り戻せるとしたら、あなたは……?
 
 
裏切りで『友情』を失った小説家
事故で走る『勇気』を失ったレーサー
挫折と噂から『歌声』を失ったオペラ歌手
断罪で『感情』を失った裁判官
病で妻との『記憶』を失った年老いた男
そして、『ゆく先』を失くした猫屋敷の娘
 
 
比良坂峠の猫屋敷と呼ばれるそこは……
失くしたものを取り戻すことを望む者たちが辿り着く場所。』
 
 
 
 
「この映画、渡された台本が10ページしかなかったんですよ。」
「10ページ!?たったの?」
「ええ、メインである猫屋敷に集まる男女6人で共通して一番多い台詞が……」
俳優はそこで思わせぶりに間を持たせる。多いのは?と、MCが身を乗り出して答えを促すと俳優は隣の女優へと視線を投げ、その目線を受け取った女優は諾と言った風な笑顔を浮かべるとふたり、声を揃えて……
「「にゃーん」」
と、そう鳴いてみせたのだった。
「猫屋敷でひとでいれるのはひとりだけ……他はみんな、猫になるんですよ。」
「全員ひとり二役を演じるに近いのに台詞の殆どがにゃーとしか返事してくれない猫相手にな独白になる上に、猫を演じている側はほぼアドリブでってざっくり具合でしたからね。」
敦賀さんが猫役!いや……CMで知ってたけど目の前で敦賀さんのその顔と声でにゃー言われりと、やっぱり……なんて息ぴったりに盛り上がる司会の3人。
かわい〜!と観客席から上がる黄色い歓声に、どちらかと言うと大型肉食獣な感のある俳優は弱ったような表情で頬をかいている。
「京子さんやオペラ歌手役の百瀬さんたち女性ならまだしも……俺や貴島くんな男も全員、猫耳にしっぽ付きでにゃーでしたからねぇ……」
「慣れるまで違和感にみんなで固まってましたよね。」
「ってことは、藤沢さんも……?」
恐る恐るな感じで聞かれたのは、風格たっぷりでどちらかと言うと厳つい顔つきの大御所の名前。
「もちろん、にゃーん!ですよ。」
「うわー!そら、それだけでも見てみたいわ!!」
大げさなほどのマルチユニットの身振り手振りに、観客もうんうんと頷いていてこの映画の手ごたえを肌で感じ取れるようだった。
「撮影現場には、本物な猫ちゃん達も一緒で癒されてましたー。」
「意外な事に、藤沢さんと村雨くんが大の猫好きで、でろっでろに骨抜きにされてたね。」
楽しげに交わされる会話は、撮影現場の和気藹々とした雰囲気を物語るよう。
「撮影で苦労されたポイントとか、皆さんの中で流行ったことなんかの撮影秘話とかないですか?」
「猫になりきるのはなにより……アクション中心って撮影じゃないのに割とよくセットが壊れました。」
「敦賀さんたちが駆け上がる予定なんかなかったですからねぇ……」
あの見事な跳躍力は本物の猫みたいだったと、女優は尊敬を込めたキラキラした瞳で滔々と力説してみせるが……そんな彼女も屋敷の二階手すりからひらりとひねりを効かせて飛び降りるなどといったアクションを決めてみせていたりする。
「撮影のみんなで流行った事と言えば、魚ですかね。」
美味い店があるんだと、新開監督が撮影メンバーのお昼にと連れ出したスタジオ近くの定食屋。
そこで秋刀魚を食べた女優。絵に描いたみたいに綺麗に骨と尻尾と骨になったその食べあとを、まるで猫が食べたみたいだと、そう店主が表したのをきっかけに。猫を演じなり切ろうとしていた本格派演技者たちは、女優をお手本にと魚を如何に綺麗に骨だけにするかと争い出したのだと俳優は語る。
「おかげで撮影中はみんなで毎日魚三昧で…………」
私、所帯くさいですから!と何故かイキイキと胸を張る女優と、いや、彼女本当にマナーと箸使いが綺麗なんですよ、良い先生でしたと褒める俳優。
そこへ、ずんぐり体型な鶏が『ならばふたりのその箸使い、ぜひここで披露してもらおうか!?』とプラカードをひょこっと差し出して、ちょっとしたミニゲームがはじまるようだ。
 
 
 
 
勝負事に熱く負けず嫌いなふたりと対決するマルチユニットと鶏くんが盛り上がりをみせるスタジオ。
宣伝のPRとして番組が上手く回っている様子に、マネージャーは胸をなでおろしトンッと軽く背後の壁に背中を預ける。
 
 *無断転用、ダメ絶対!!*
 

より普段のキョーコちゃんなイメージに近いみやこに猫としてそれはもうべったべたにすりすり甘えられて抱きつかれて……カインとセツの時より拷問に近いかもしれません。なんて弱音を零してた担当俳優をひとり知る彼。
セットを破壊するくらいなアクションになったのは、キョーコちゃんの脱いだセーターとか膝枕を村雨や貴島と争ってたせいだったとか
必要以上に、壊れた食欲中枢な筈が一変して、積極的に必死の形相で魚の食作法を真剣に体得しようとしていた俳優が「将を射んと欲すればまず馬を……って言うじゃないですか。」なんて謎な言葉を吐いてたけど……
どうせ、蓮のことだキョーコちゃんに関することに違いない。その内、ネタが分かったら闇の国の方が出ない程度に蓮くんを揶揄って遊ぼう。
そんな考えを片隅に、スタジオに鳴り響く拍手と歓声を聞きステージを眺める有能なるマネージャー。
 
 

 
 
彼は口もとに優しい笑みを浮かべ、如何に理由をこじつけてこの収録の後、女優と俳優をふたりにして自分ひとり別方向へのタクシーへ乗り込もうかと、そんな事を考えるのだった。
 
 
 
 
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最果ての地な我がサイトの2周年企画的なにか、「な2がなんでも!?」にいただきましたリクエスト。
 

ゆるるく様よりいただきました、お素敵イラスト
 *無断転用、ダメ絶対!!*


な、こちらを猫さん2倍に!いっそのこと敦賀さんも猫にしてしまえ☆で、変てこ映画なものにでございまーす。
ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、ごめんなされ。
最初、キョコさんの脱いだセーターをゴロゴロご機嫌に揉んで寝床を作る蓮くんを書こうとしたんだけど……やめておきました。笑



収録の後、キョーコちゃんをごはんに誘いたい光くんたちと、坊との繋がりがバレやしないかとキョドビクなキョコさんと、親しげなブリッジロック特に光くんを馬の骨認定で警戒する蓮くんとか妄想すると少し楽しいかも?
ヾノ。ÒㅅÓ)ノシ
 

↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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