うそつきいじわるだいきらい。の駄目駄目ヘタ蓮さん視点、はじめました。

 

 

 

ごめんねゆるしてあいしてる。の続きのつもりにて候。

(ノ´▽`)ノ

 

  

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「……コォ…ン?」
彼女だけの懐かしい呼びかたで俺を呼ぶ、勘ぐるような涙声。
振り返ろうとする栗色の髪の頭に手を伸ばして手のひらで両目を覆った、彼女の……視界を閉ざすために。
 
 
 
 
「うん。キョーコちゃんが呼んでくれたから……来れたんだけど……ここ、この前の時の場所と違って、木も水も空も少なくってあんまりパワーがないから……上手くこっちに馴染めないみたいなんだ。だから、ごめん、キョーコちゃん俺を見ないでいて?」
幼かったあの頃から変わらぬ妖精なんかのファンタジーを信じるメルヘン思考の最上さん。それらしく語ってみせた挙句、今の姿を見られるとここから消えてしまうかもしれないと匂わすように念を押してみせれば、胸に抱き込むように捕まえた両目を覆う手のひらが瞼をしっかりと閉じる睫毛に擽られて、コクコクと大きく頷いてくれる。
そのあまりに素直な騙されっぷりに少し罪悪感が胸を刺したけれど、今はそんなことよりも
呼吸さえしずらそうな程に小さく塞ぎ込み縮こめてしまっている背中が苦しそうで、薄い肩に回した腕で抱き起こすように抱き寄せた。
震える小さな頭と手のひらを濡らす涙が、酷く痛ましくてたまらなかった。
 
 
 
 
「キョーコちゃん、どうして泣いてたの?……お母さんと何かあった?………それとも、ショーちゃん?」
苦しげだった呼吸が少し落ち着いてきた頃に訊ねた、涙の理由。幼い彼女が隠れるように泣いていた要因と……その涙を名前だけで止めていたアイツ。
…………けど、きっと…今の最上さんの訳は、違うんだろう?
黙ったまま、ただ頭を左右に小さく降る。
未だ残る微かな嗚咽の震えに、心臓がきゅぅっと縮まる様な痛みがする。
「………………敦賀さん?」
縋るように、願うように……情けなく震えた喉から絞り出したような微かなつぶやき。
途端に、ビクッと大きく震えた最上さんの肩が、言葉よりも何よりも雄弁に肯定を語っていた。
どうしてだろう?この娘にだけは、どう取り繕っても隠した俺の本性が見つかって見抜かれてしまうのは。狡猾に決して気取られぬように立ち回っていたつもりだったけれど……俺の穢れた魂が嫌になった?純粋な君に向けてしまっている恐ろしい程の執着と欲望に軽蔑した?



「…………そんなに、嫌い…なの?」
 
 
 
 
 
誰よりも愛しい存在からの絶対の拒絶。
だって、そうなんだろう?
別れを告げたあの時、君の瞳に表情にほんの僅か微かにでも、過去の交際相手のように俺を試すような俺が引き止める事を期待してくれているようなものが少しでも見つけられたなら……
どんなに無様にでも、君の足もとに跪き取り縋って嫌だと懇願しただろう。
でも、あの時の君は…………笑っていたから
腕の中にいる筈の君が霞んで消えてしまいそうな恐怖と、君のいなくなった部屋で味わった目の前が真っ暗に染まるような絶望がぞわりと背中を這いまわる。
 
 
 
 
 
「っ……ぅう………ひぃ…っふぅ……」
震える喉が零す嗚咽。
ぶんぶんと左右に何度も振られる栗色の髪。
彼女の視界を覆う手のひらに、あたたかく濡れた感触。
違うのだと必死に訴えるように、俺の言葉を責めるように。
「じゃぁ、どうして…………『寂しい』なの?」
泣き続けている小さな震える背中、根の深い致命的な病に侵された胸に……微かに灯る、愚かな期待が言葉になってこぼれ落ちた。
「っ……コ…ーンの、うそ…つきぃ。私の、許可なく…勝手に…頭の中、見たりしないって……言った…のに…」
約束を破る俺を詰る泣き声混じりの声。
ごめん……本当に、ごめんね?
今現在をもって君の思い出につけ込むように妖精を騙ってしまってさえいるのだけど
「うん、ごめん…ごめんね。教えて?……どうして、キョーコちゃんは敦賀さんと居ると寂しいの?」
強請るように、促すように、ただ乞う。
お願いだ、教えてくれ。
俺は君と一緒にいて、何をしてしまった?どうして、寂しいだなんて思わせた?
 
 
 
 
「だって………だって、敦賀さん……笑うの。私を…『彼女』だって、言って……嬉しそうに……笑うの……」
 
 
 
 
苦しげにひくついた喉から、零された応え。
それが当たり前だと思えるように刷り込むつもりで言い聞かせていた言葉。
何よりも、そう言えるのが嬉しくて浮かれるように、事ある毎に何度も何度も。
最上さんは俺の『彼女』なんだから……と、そう。
 
 
 
 
瞳を覆った手のひらを濡らし続ける涙。
震える背中とぎゅぅと胸の前で強く抑え込むように握り締められている小さな手。
つぶやくように落とされる泣き声は、続けた。
 
 
 
 
 
 
「その度に、言ってしまいそうに…なるの。………うそつき……好きなひとが、いる…くせに…って…」
 
 
 
 
 
 
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泣きっぱなしな愛しのあの娘からの思いがけぬ爆弾発言。
 
 
さぁ、どうする妖精詐欺師?
ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、
 
 
 
あーぅ?気を抜くと蓮さんのヘタれ成分がすっかり消え失せてちゃっかり詐欺師が調子に乗りそうで困るですたい!
ƸӁƷ~ ヽ(´・ω・`ヽ)←基本系が詐欺脅迫言いくるめってのをなんとかしたいとは思うのだけど、ね?
 

 

↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

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